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sk「阿部ちゃんずるいよぉ‥‥。言うだけ言って、気まずいから会いたくないってなんだよ。友達辞めたいってなんだよぉ‥‥
俺はそれでも会いたかったし、友達辞めたくなんてねぇし！！」
ab「でも俺は佐久間と一緒にいたら、この前みたいなことになっちゃうかもしれないって思ったら怖くて‥‥」
sk「ダメなの！？それでも一緒にいたらダメなのかよ！」
ab「ダメだろ‥‥。佐久間を傷つけるだけなんだから」
sk「俺は、阿部ちゃんにとって傷つける存在？」
さっきまで力いっぱい握っていた佐久間の手がスルスルと解けていった
ab「そ、そんな事！全然あるわけないだろ！」
俺にとっての佐久間の存在は大切で大事にしたい。そんな存在
sk「俺だってそうだよ‥‥。阿部ちゃんの存在で俺が傷つくことなんて1ミリだってないんだから」
ふいに視線が交わった。その瞬間、解放されたはずの手首が再び掴まれ、クンッと弱く引っ張られた
唇に柔らかく冷えた感触がした
sk「阿部ちゃんが俺に対する好きと、俺が阿部ちゃんに感じる好きが同じなのか違うのかなんて、俺もうどうでもいいよ。
俺がダメなの。思い出せないの。阿部ちゃんが居なかった時間を、俺はどうやって過ごしてきたのか分からなくて、ただ会いたかった。
阿部ちゃんの存在が大きすぎて、居ない世界なんて俺無理だよ‥‥」
俺を真っ直ぐに見つめながら、大きな瞳から涙を零す佐久間
俺が居なかった間、何度こんな顔をさせてのかな‥‥
sk「阿部ちゃんが好き。一緒にいたい。でも阿部ちゃんの気持ちと同じなのか分かんない
早く、ちゃんと答えを出さなきゃって思ってるんだけど、焦れば焦るほど分からなくて‥‥」
それで、倒れてしまったのかな‥‥
ab「もうすぐオーディションなんでしょ？
俺の事はいいから、今はそっちに集中して。」
sk「それじゃあ阿部ちゃんが‥‥」
きっと佐久間は、俺の気持ちに応えられたら、また以前のように戻れると考えてるのかな‥‥
俺は小さく首を横に振った
ab「もういいよ。俺も佐久間と会えなくて寂しかった。やっぱり俺も佐久間が居ないと無理だ
それに‥‥、佐久間からキスしてくれて嬉しかったし、もうそれだけでいいかなって‥‥」
sk「阿部ちゃん、俺ね‥‥」
ab「戻ろっか！いつもの俺らに戻ろ？」
気持ちを伝えるとかよりも、佐久間が無理して俺に合わせようとしてるほうが辛い
そんな関係になりたかったわけじゃないんだ
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作者名：shiro | 作成日時：2022年11月6日 21時
