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ab「俺さ、ずっと佐久間が好きだったけど、ずっとゆり組推してるの、今も変わらないよ？」
dt「ははっ！それマジだったんだ」
ab「マジだよ！だから、そっちも上手くいってくれなきゃ俺が困る‥‥」
舘さんの『ちゃんとする』の言葉はそう捉えて、俺は再度確認するかのようにそう言った
舘さんはあしらうように笑ってる
冗談なのか本気なのか、俺が話聞いてもらいに来たはずなのに、なんだか舘さんの‥‥というか、ゆり組の行く末が少し気になってしまった
だけど不思議と悲しい結果にはならないという自信が俺の中にあって
その自信が少しだけ自分にも動かされる何かを感じていた
ab「ごめん、遅くまで話聞いてもらって」
舘さんに話を聞いてもらって、少し気持ちがスッキリした俺は、舘さんに作って貰った小さなオムライスを綺麗に平らげて、デザートのパンナコッタまでいただいてしまった
dt「全然問題ないよ。それより、佐久間と話す気になった？」
帰り際、舘さんがまた確かめるように俺にたずねた
俺と佐久間の事、本当に心配なんだな‥‥
ab「うん‥‥。まだ、怖いけどね」
不安が拭えた訳じゃない。でも自分の気持ちを再確認できたのも事実
佐久間に会って、顔を見て、そして俺が感じたままに動いてみようって思った
dt「なら一安心かな」
俺の気持ちを察したのか、舘さんはそう言って笑っている
ab「舘さんもだよ？」
dt「えっ？」
ab「せっかく再会できて、昔みたいに戻れたんだから、再チャレンジしなよ」
そう、俺も頑張るんだから舘さんも！
俺らは多分、今は同志なんだと思う
伝えたくても、長年築いてきた関係を壊してしまう恐怖と戦わないといけないんだよな
だけど、今までの関係を壊したいほどに好きなんだって、佐久間の顔が浮かぶ度に思い知らされる
会いたい‥‥
今度は俺から連絡してみよう
オーディションが終わって、佐久間のほうが落ち着いたタイミングでメールしてみよう
次に会えたらもう一度、きちんと伝えるんだ
投げやりになんかせず、俺の気持ちも
佐久間の気持ちもちゃんと、大事にするんだ‥‥
・
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作者名：shiro | 作成日時：2022年11月6日 21時
