甘くてからい恋の味【紫】

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そう、その日は記録的な猛暑日で。



外の空気がなんだかゆらゆら見えてしまうぐらい



そんな日に限って私は女の子２日目で
いつものようにやってきたお昼の時間も全然乗り気じゃない






しおり「A顔色悪すぎなんだけど大丈夫？」

『暑さと女の子の日と暑さと暑さにやられて死にそう』

しおり「保健室で薬もらってきたら？」

『あ、そこスルーなのね。んー、そうしようかな』

しおり「Aの分もなんか適当に購買で買ってこようか？」

『今日お弁当なんだよね』

しおり「Aがお弁当なんてどしたの」

『朝から私が作ったんだよ？すごくない？』

しおり「すごいって褒めようとしたのに、なんか自分からそうこられると褒める気失せるよね」

『もっかい最初からやり直そ？』






ちょうどこの時期も妹のお弁当の時期とお母さんの出張が重なってて
私が妹のお弁当を作ってたんだっけ






しおり「保健室ついていこうか？」

『ううん、しおりは購買行ってきていいよ。いつもの場所で合流しよ』






しおりを見送ってから自分のお弁当を持って
キリキリ痛むお腹を押さえながら保健室へと向かった






『失礼しまーす』






挨拶しながらドアを開ければ
保健の先生が少しだけばたばたしてて
ちょっとタイミング悪かったかなって思いながらも
薬もらうだけだからと自己解決して教室の中へ足を運んだ






『先生、忙しそうな時にすみません。痛み止めもらいたくて』

先生「あー、ちょっと待ってね！すぐ準備するからそこの椅子に座っててね」






そう言われて大人しく丸テーブルの椅子に腰かける



誰か倒れちゃった子でもいるのかな
こんな暑さだもんね



先生が覗いた揺れたカーテンの奥に
少し苦しそうに顔を歪めてベッドに寝ている男の子がいた

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