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深「これ、どうした?」
多分赤くなってるであろう頬に
ふっかの綺麗な指がそっとまるで壊れ物を扱うように触れる
それだけで全身がドクドク波打ってるのがわかる
『っ、なんでもない』
深「なんでもないわけないだろ」
『なんでもないから』
私のなんでもないの一点張りに
無理だと悟ったのかふっかがため息をひとつ吐いた
深「たまご焼き」
『……え?』
深「だーかーら、たまご焼き」
真剣な顔から放たれた一言に
全く意味が分からず聞き返せば
なんで分かんねぇの?って顔でもう一度言われる
『どーゆうこと?』
深「俺がいろんな子からお弁当もらってた理由」
知ってるよ、好きな子探してるんでしょ?
知ってるから
どうかまだ言わないで
本人の口からその事実を聞く勇気は残念ながらまだない
そんな願いもむなしく
ふっかはそのまま話し出す
深「んー1年の夏だったかなぁ〜、4時間目のプールの授業終わった後気分悪くなって1人で保健室向かってたの。そしたら辿り着く前に俺倒れちゃって。」
まぁ運よく保健室のせんせーが見つけてくれて運んでくれたんだけど、って
急に立ったかと思えば
よいしょって私の隣に腰を下ろす
小さな2人がけの椅子だから
急に近くになったふっかとの距離
うるさい心臓がばれないように、ふっかの話に耳を傾けた
深「んで、起きたら横のテーブルにお弁当が置いてあったの。“よかったら食べてください。お大事に”って付箋のメモと一緒に」
『え?』
深「ん?」
『ぁ、ううん』
深「ふふっ。んで、もうとっくに食堂は閉まってたし?それがめちゃめちゃありがたくってさ。どうにかお礼したかったけど保健室の先生に聞いても知らないって言われるし、じゃあ自分で探すしかねーなぁって」
あれ?
_____お弁当、保健室、付箋のメモ
なんだか知ってるような、知らないような
あぁ、そうだ
記録的な猛暑日だって
朝のニュースで報道されてて
信じられないような暑さの太陽が照り付ける日だった
図書室の空いた窓から聞こえる
うるさいセミの鳴き声につられるように
1年前の夏の記憶の中へ
唐突に引き戻される感覚に頭がくらくらした
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らいな(プロフ) - Roseさん» え!実際に作ってくださったんですか?!嬉しいです、、めんつゆお手軽だし美味しいですよね!これで深澤さんの胃袋ゲットですね(?)こちらこそありがとうございます! (2020年12月2日 11時) (レス) id: 5b09cc1f1f (このIDを非表示/違反報告)
Rose(プロフ) - 実際に卵焼き作ったら好評でした。ありがとうございます! (2020年12月1日 18時) (レス) id: 44b0442a2b (このIDを非表示/違反報告)
らいな(プロフ) - KaNaaaaさん» お返事遅くなってしまってすいません!キュンが届けれて私も嬉しいです!温かいお言葉ありがとうございました!! (2020年9月30日 15時) (レス) id: 5b09cc1f1f (このIDを非表示/違反報告)
KaNaaaa(プロフ) - いつも更新楽しみにしてました。たくさんキュンキュンしました♪完結お疲れ様でした! (2020年9月28日 10時) (レス) id: 0072e296cb (このIDを非表示/違反報告)
らいな(プロフ) - かなさん» かなさん、コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまいすいません。私も書きながらあれ?岩本さんのがかっこよくないか??って思いながら書いてます(笑)むしろひーくんのかっこよさが伝わってほっとしてます!亀更新ですがどうか最後まで見届けてください! (2020年9月14日 1時) (レス) id: aa5cfc4e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らいな | 作成日時:2020年5月3日 19時