甘くてからい恋の味【紫】

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落ち着いて整理しようとしても
私の頭はぜんぜん働いてくれない



私が知らないたくさんの事を
あの子はなんで知ってるんだろう



それに“あの時の子”って誰？



ふっかがずっと探してるなんて
そんなの、好きな子いるって言ってるようなもの






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岩「ふっかって恋愛の話になるとすぐはぐらかすもんな」

『ね、忘れらない子でもいるのかな』

岩「俺そんな話聞いたことないけど」

『じゃあ、ただの女好きか』



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ふと、照との会話を思い出す



なにが女好きなの



めちゃめちゃ一途じゃん
だってその子を探すためにいろんな子のお弁当食べてるんでしょ？



手段はどうであれ
ずっとずっとその子を想ってるんでしょ？



もしかして、



その噂を知ってたから
女の子たちは頑張って可愛いお弁当作ってきてたのかな



そうだと気づいてしまったら
溢れ出る涙を止めることなんてできなかった






『……っ、最初からスタートラインにすら立ててないじゃん』






１番ふっかの近くにいる女の子は私だと思ってた



ふっかのジャージを借りて
ちょっと優越感に浸っていた少し前の私が本当にバカみたい






『……遠いなぁ』






こんな顔でしおりに会っても心配かけるだけだから
携帯を開いて“今日体調悪くなっちゃった”って断りのラインを送った



“大丈夫！？早くよくなってね、お大事に！”



そんなしおりの優しい返答に
嘘をついてしまった罪悪感で心がちくっと痛んだ

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