かわいいキミ、大人にならないで (ページ8)

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『Aはさ……高校で彼氏とか居たの？』

「うーん…そうだなぁ…彼氏というほど思い出が無いけど、付き合った人は居たよ」

『え？あっ、そうなんだ？』

「テヨンくんは？彼女はいたの？」

『う〜ん？俺はずっと片思い中』
複雑な顔をするテヨンくん。
テヨンくんのことだから気持ち伝えてないんだろうな〜

「そうなんだ、仲間だね」

『え？』
その言葉にテヨンくんが持っていたドリンクが手から離れる

「危ない！」
慌ててドリンクを受け止めたけど、蓋が外れて氷が床に散らばる
店員さんからほうきとちりとりを借りてササっと氷を片付ける
モップかけようとすると男の店員さんに止められてお任せした。

テヨンくんはその間も動揺していた

「テヨンくん大丈夫？かかってない？」

『うん、びっくりしちゃった、ごめん。Aのお洋服にはついてない？大丈夫？』

「うん、大丈夫だよ。そろそろ出ようか」

店員さんにお礼を伝えてお店を出る。

『Aちゃんごめんね、Aちゃんに全部やってもらって何もできなかった…』

「大丈夫だよ。私が勝手にしただけだから」

暫く歩いてテヨンくんの足が止まる
『俺ここら辺に引っ越したんだ、だから駅でお別れ』

「そうなの？一人暮らし？？」

『うん』

「テヨンくん一人で大丈夫なの？ご飯は？」

『頑張って作ってるよ』

「すごい…」

『Aちゃんは実家だよね？』

「うん、テヨンくんは独り立ちして偉いね。私の知らないところでどんどん大人になってるんだ…」

「すごいなぁ…」

なんだか私だけがずっと昔のままで寂しい

大学生になったから私も大人にならないといけないな。