かわいいキミ、大人にならないで (ページ6)

今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:30,311 hit

6 ページ6

『Aは理化学科だっけ？』

「なんで知ってるの？」

『お母さんから聞いた』

『うちのお母さんとAのお母さんいまだに仲良しでよくおしゃべりしてるみたい』

「そうなんだ。私はお母さんから何も聞いてないや…」

『俺が口止めしといた。驚かせたかったから』

「そう、なんだ」
テヨンくんの笑顔がこちらに向けられるだけで苦しい。
失恋してるとわかっているからこそ近くにいるとつらいかも…

『びっくりした？でも、俺もまさかこんなに早く会うと思ってなくて驚いた』

「うん…びっくりした」

会話もぎこちなくて手元に会ったくしゃくしゃになったサークルのチラシを見る

『Aはサークル入るの？』

「うーん、入りたいとは思ってる」

『そうなんだ…俺と一緒に入るのは嫌？』

「え？」

『学科別だし、それ以外の時間帯に会えたら嬉しいなって思ったんだけど…』

「う、嬉しいけど、、よく考えてからにする、ね？」
積極的なテヨンくんに慣れなくて完全にタジタジな私

昔のテヨンくんなら恥ずかしがって顔真っ赤にして言ってた言葉なのに、顔色ひとつ変えずに女の子を誘うなんて…

この数年間で女の子慣れしたんだと自分を納得させた。

少し気まずいと感じたタイミングでオリエンテーションが始まり、大学施設の使い方や授業のシステムについての説明がされた。

そして大学行事も紹介されて、やっぱりこの大学に来て良かったと思った。