手を伸ばせば 2 (ページ7)

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「そーだよ。俺は我儘。我儘で悪かったな。」

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ちょうどやってきたバスに乗り込んで、

景色の見える窓際を、木内に譲る。

りさ「ありがと。」

滑る様にバスは走り出して

街の明かりが、前からうしろに飛んでゆく。

そんな景色を見つめて、俺の顔を見ないまま

木内が呟く。

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りさ「山田？明日はね……」

「…うん。」

りさ「……。」

パパのトコ、だろ？

口には出さなかったけど。

ガラス越しに、彼女の顔を確認したら、

彼女は考え込むように目を伏せていた。

無言のまま、時間だけが過ぎる。

そして、彼女の下りる停留所が近づいて、

“ ピンポン ”

と降車ブザーを俺が押したら、

木内はびっくりしていた。

「降りる、だろ？」

りさ「ぁ。も、勿論。」

バスが停留所で停まって、降りる俺ら。

・

りさ「山田も、ここで良かったの？」

心配する木内に、ふっと笑いかける。

「ん。送るために待ってたんだから。
　停留所 4つくらいなら全然歩けますよ。」

りさ「ごめん。」

「それに… 約束したし、ね。」

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