手を伸ばせば (ページ35)

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大貴「あ、おはよう。よく寝れた？」

りさ「はい。」

「そう。良かった。」

りさ「山田、大ちゃん先生、ありがとう。」

大貴「いーえ。どういたしまして。」

「何もしてねーだろ！」

そのやり取りを見て、

ふふっと笑う木内。

「仲がいいんだね、2人。」

大貴「腐れ縁ってやつですか？

　んーーこんな奴だけどさぁ、
　山田を宜しくね、木内さん。」

「はっ！？」

大貴「もう、
コイツ何年も彼女いなくってさ。」

「ば、ばか！何言って！！」

木内は、顔を赤くして俯いてしまう。

「木内、おまえマジ受けするなよ？」

そう言った俺だけど、

本心は俺自身にも解らなかった。

目の前の俯いて赤くなった彼女を

下から覗き込んでさ、

なんだ可愛いじゃねーか、って思いつつ。

ここではっきりしなきゃダメなのに、

マジに取っても構わねーのかなぁって

そう思ってる弱い自分も居たりして。

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いや…しかしだな…

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大ちゃん。お前、後で締め上げてやる…

作ってくれていた朝食を口に運びながら、

ふつふつと

思い出したように怒りが込み上げてきて、

俺は、隣ののんきな男の顔を睨みつけた。

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