手を伸ばせば (ページ30)

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「っ！！」

喉の奥が、ごくりと音を立てて、

背筋にぴりっと波が立った。

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完全に油断をしてしまっていた俺は、

キス位良いだろ？だって…

『…お前が悪い。』

そう思ってしまった。

悪魔な俺がそこには居て、

空いている手の先で木内の頬を撫でると、

りさ「っん。」

か細くて甘い声がその口から漏れて。

俺は思わず息を呑んだ。

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その時、俺を見上げた、

彼女の濁りのない瞳と目が合って

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「っく…」

っ！ダメだって！この子は俺の生徒だって！

手を出す寸前で俺の中の理性が勝ってくれて

どうにか必死に、悪魔な自分を封じ込めた。

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「木内…おやすみ。」

そう言って、頭をゆっくりと撫でてやると。

りさ「……。」

安心したように、彼女は瞳を閉じて。

暫くすると、ほんわかと

先程より温かくなった彼女の体温を感じて、

定期的な吐息が聞こえてきたことで、

あぁ眠ったんだ、と確認することができた。

「…んっと。」

起こさないように…

そっと彼女の身体から離れる。

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「や…ヤバかった……」

離れた場所からドキドキする鼓動を押え、

大きくため息をついて、部屋をあとにした。

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