- ページ17
Jeno side
土曜日。図書館で勉強した帰りにコンビニに寄って、家までの距離を歩く。途中の公園に寄ったら、あの日みたいに、小さい屋根の下のベンチでうずくまる白い塊。
近づくとそれは見慣れた姿で。綺麗な黒髪の中に混ざるピンクは初めの頃より薄くなっていて、学校で見る時みたいに丁寧にセットされてない、適当にまとめられた髪。
白いTシャツにショートパンツなんていう無防備な格好でここで寝てるこの子に、前から疑問を抱いていたのは確かで。あの日、送った日、今まで彼女に抱いていたイメージがかなり変わって、自分の中でのイメージがただの不良じゃなくなった。
空いてるベンチのスペースに座って、買ったアイスを食べてるとむくり、横で起き上がった彼女。
「なんで、」
JN「たまたま寄ったら見かけたから」
「そう」
そういう彼女の目は泣いたのか腫れていて。頬は赤くなってて、所々紫色になっている。手を伸ばすと肩がびくりと揺れて。
JN「ごめん」
「大丈夫」
JN「お父さん？」
「うん」
慎重に、傷つけないように、絞り出して聞いたけど、あっさり返ってきた答え。やっぱりそうか、とか思う前に、目の前の彼女がすごくすごく、弱く見えて。
JN「気づけなくてごめん」
「気づかれてた方が困ってた」
JN「校則守んない生徒だと思って」
「それは間違ってないでしょ。実際守ってないし」
いつも施されている校則違反の化粧もしてない顔は少し幼くて、自然で。腫れてる頬に手を伸ばすと、初めは目を瞑って怖がってたのもなくなって、猫が擦り寄るみたいに眠そうにしてる。
JN「なんかあったら話して」
「気が向いたら」
JN「それじゃダメ。ひとりで帰れる？」
「うん」
JN「送ってく」
なんのために聞いたの って笑う声は少し泣いていて、少し前を歩く背中は薄くて小さくて頼りなくて。学校を抜け出したら、こんなに弱々しく見えるこの子が、今触れてなかったら、話してなかったら消えてしまいそうで。
JN「我慢しないで、なんでも言って」
「分かったってば」
JN「衝動で髪の毛染めたりしないでね」
「なんで考えてること分かるの？」
JN「分かるから」
二度目の彼女の家の前。泣いてる彼女を抱きしめると、細い腕でぎゅうっと抱き締め返してくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 852人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノエ(プロフ) - ryo1022wonwoo07さん» コメントありがとうございます。@noeneol で出てくると思います。鍵垢ですので、フォローリクエストを送っていただけると有難いです！ (2022年9月19日 16時) (
レス) id: 62593b029f (このIDを非表示/違反報告)
ryo1022wonwoo07(プロフ) - コメント失礼します。Twitterのアカウント教えていただきたいです。 (2022年9月19日 1時) (レス) id: 64391cb650 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノエ
| 作成日時：2022年7月2日 21時
