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Jeno side
JM「土砂降りの中走って帰ってるけど、あの子」
RJ「絶対あれスカート戻しただろ」
HC「短い方がかわいいよな。折りたい気持ちはわかる」
JM「ジェノヤ、」
三人を置いて、母親に持たされてた傘を手に走る。逃げ足が早いのはここでも一緒みたいだったけど、登校も下校もなんだかんだ分かってたから通る道くらい分かる。
小さい屋根の下で濡れたフェイスタオルを絞るその子はびしょ濡れで。濡れたシャツは張り付いて肌色が見えるし、あんなに注意したインナーカラーのピンクは水に濡れて濃くなっていた。
意を決して進もうとする彼女に傘を差し出すとあからさまに嫌な顔をして逃げようとする。掴んだ腕は呆気なく力が抜けて、送ってくと言えば大人しく隣を歩き出す。
「もういい、ここで」
JN「家まで送っていくよ。右？左？」
「ここから近いから大丈夫」
JN「近いなら余計。どっち？」
「右」
脚が止まったと思ったらもう大丈夫って、そう言う彼女はいつもの生意気な姿とは違ってすこし弱々しく見えた。しつこく聞くと諦めたように呟いた。
「ここ、だから、」
そう言って立ち止まったのは新しいとは言えないアパート。派手で華やかな見た目とは反対の家で。扉が開いたと思ったら中学生くらいの男の子が出てきた。
『ヌナおかえり、今日も親父いないって』
「そっか、ただいま」
こっちを見るなりAちゃんの顔を覗き込んでまた中に戻っていった弟くん。親父、お父さんは帰ってくるの遅い仕事なのかな とか ぼろぼろの外装に、すっからかんでがら空きのまわりの部屋。小さい三輪車もあって、もっと下にも兄妹がいるのかな とか。
「送ってくれてありがとう、じゃ」
JN「こちらこそ急にごめん」
「いや、助かったから、」
JN「風邪ひかないようにね、また明日」
頷いた彼女は僕が見えなくなるまで立っててくれたみたいで、それじゃ傘をさして帰って行った意味がないじゃんって笑ってしまった。
そんなに肩濡れてどうしたの、ってお母さんに心配されたけどそんなのどうでもよかった。いつもは見れない一面を知って、なんとなく落ち着かないまま眠りについた。
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ノエ(プロフ) - ryo1022wonwoo07さん» コメントありがとうございます。@noeneol で出てくると思います。鍵垢ですので、フォローリクエストを送っていただけると有難いです！ (2022年9月19日 16時) (
レス) id: 62593b029f (このIDを非表示/違反報告)
ryo1022wonwoo07(プロフ) - コメント失礼します。Twitterのアカウント教えていただきたいです。 (2022年9月19日 1時) (レス) id: 64391cb650 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノエ
| 作成日時：2022年7月2日 21時
