* ページ9
『…オッパ、ケンチャナ?』
ゆっくり近づいて下から覗き込む。
オッパは固まったままだ
と思ったら、
「A!!!」
『え”』
ガシィっと肩を掴まれて揺さぶられる。
「Aのぱぼぉ!なんでそんな格好してるの?!」
『待って待って待って』
そんな格好って?
今日の私の格好は黒のロングパンツに柄物のショートスリーブのトップス。
曲のコンセプトに合わせてかっこいいデザイン。
メイクも濃すぎずナチュラルだ。
これのどこがいけないんだろう?
オンニたちとはてなマークを浮かべる。
「だめだよそんな格好!肌出しすぎ!!!」
『えぇ…』
そんなこと言われても…
オンニたちの方が薄着だし、なんなら私は一番肌の露出が少ない。
それにヨジャアイドルだったら普通でしょう?
「テヒョンアそんなこと言ったってしょうがないじゃん」
「そうだよ、アイドルなんだし」
ジンさんやジミンさんがフォローしてくれているが、
「ぜっっっったいダメーーーー!」
(ああ…)
思い出した。
思わず白目になるのは許してほしい。
小学校の頃友達とロッテワールドなどに行くときにお揃いのショーパンを履こうとしたら、
”ねえなんでそんな格好してんの?!危ない!オッパは許しません!”
と言われてそのショーパンを捨てられたことを思い出した。最低。
もうどうしようもない。
私はデビューしたし、これからステージがある。
衣装を捨てたら犯罪だ。
オッパが衣装を捨てるという道はないし、私がこのオッパを説得できる可能性もない。
だとすれば私が取るべき方法はただ一つ。
ガシッとオンニたちを掴む。
「えっA?!」
『ありがとうございましたーーー今日はよろしくお願いします!』
「えっあっうん?!」
「お、おじゃましました?」
ナイスジヒョオンニ。
「待ってーーA!!!」
『待ちませんーーー”V先輩”もそろそろ出番じゃないですか?では私たちはこれで』
オッパの悲鳴が響き渡る楽屋の扉を問答無用で閉める。
閉める間際に”気をつけて帰ってくださいねー”というJ–HOPEさんの声が聞こえた。天使。
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←楽屋挨拶
563人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なべちゃん | 作成日時:2020年11月21日 18時