FOREVER YOUNG AT HEART 零.

MUGEN ROAD - 外伝 - ページ8

その隙に私から腕を取り返して、体勢を立て直した方にお返しとばかりに回し蹴りを繰り出すもガッチリと受け止められてそのまま投げられた。
着地するもよろけた私の肩を掴んだコブラに“代われ”とか言われた気がしたけど、肩の手を払った。

だってまだ、二頭の獣は私を見てるから。


「殴って来た方が広斗、回し蹴りしてきた方が雅貴か」


兄貴の方は蹴り技を使うとかどっかで聞いた。
そう言えば、二人はギョッと言う表情をした。
顔を見合わせて“女？”とか言ってる。

…失礼な奴等。
まあ見掛けに髪もショートだし少し小柄な男にしか見えないけどさ。


「広斗。俺、女の子は殴れないからパス」
「あ？紳士ぶってんじゃねえよ」
「いやいや、無理っしょふつーに！解っちゃった以上、お兄ちゃん無理だから。それにその子、なかなかやるみたいだし広斗君頑張って！！」


ほら、弟君がは？とか言ってるけど、お兄ちゃんの方はガン無視でコブラに人差し指でクイクイして挑発した。あ、それすぐカッチーン来るよ、ソイツ。

思った通り、コブラは雅貴に突っ込んで殴りかかったけどボディに膝蹴りもらってた。おバカ。

さて、弟君の方はどうしようか。


「…、」

そう思って視線を向けたら、眼前に繰り出されたのは拳で勿論当てるつもりのない単なる挑発だ。
当たってたら顔面腫れ上がる勢いだったけど。


「それなりに場数踏んでんな。俺とやったらその綺麗な面が当分見れなくなるけど」
「気にしてると思う？やっすい脅しは通用しないけど」


拳を掴み、獣の下に体を滑らせて背負うとそのまま地面に投げ付けた。
普通の野郎なら無様に背中を地面につけるとこだけど、広斗は着地した。


「おもしれえ、来いよ」
「言われなくても」


さて、暴れますか。



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