05. ページ6
何だ、このオカマさん相当強い。決定打を与えられずにお互いに結構体力限界。強い力は私が逆に利用して返すから、オカマさんも相当やりにくそうだった。互いに肩で息をしてる、もうやめませんか…。
「ふんっ、まさか女がここまでやるなんてね」
「捕まるわけにはいかないので、見逃してくれませんかね？
私の言葉に双眸を見開いたオカマさんが腕を組んで片手で頬に触れながら微笑んだ。お、上手くいったかな？
「仕方ないわねえ、アンタ面白いし…いいわ」
「どもっす、ではこれで」
「ちょっと待ちなさい！アンタ、名前は？」
「Aです」
「私はキジーよ、あっちはカイト」
ぺこっとカイトという人に会釈をすると、小さく頷かれた。無口な人だなあ。てか、なんで人攫いしてんのこの人達。どー見ても悪い人だよね。
「あのさ、こんなクソみたいな事辞めたら？」
「…」
「…」
「関係ないけどさ、二人にはこんなこと似合わないと思う」
二人は私を見つめて何も言わなかった。私は片手を上げて踵を返すとそのまま出口の地上へ上がって行く。途中、金髪立ち上げヘアの丸いサングラスの人とすれ違ったけど…何者と呟いてしまった。
「…MUGENの女？何でこんなとこに」
そんな風に聞こえた気がしたけど、聞こえない振りをしてその場を離れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
はあ、今日は疲れる日だな。喧嘩なんてMUGENの時でも１日２回なんてあまり無かったわ。さっきのキジーは本気でヤバかったな…あっちこっち切れまくり、痛い痛い。
その時、私の真横を一陣の風が吹き抜けた ー
あれ、ハーレーのナイトロッド？ついでに見覚えの有る背格好に黒尽くめ、間違いなさそう。じっと見てしまったのか、バイクは止まって持ち主はフルフェイスのヘルメットを取った。てか、あのヘルメットのステッカー…間違いないじゃん。
振り返った男を見て、ああやっぱりと思った。私をその双眸に捉えると目を細めて薄く笑む。
「よお、久しぶり。苗字」
「コンニチハ、弟の方」
「は？」
「コンニチハ、雨宮さん」
「喧嘩売ってんの？てか、話遠いんだけど」
こっち来いってか。仕方なく重い体を引きずって雨宮弟さんの方へ歩いて行く。すると上から下まで私を見てからふはっと吹き出して笑った。
「MUGEN、解散したんだろ？」
何やってんの、とニヤニヤ笑う雨宮弟を私は恨みがましく見つめる事しか今は出来そうにない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テトラ(プロフ) - れおなさん» 喜んで頂けて嬉しいです！これからも良かったら読んでやって下さいm(_ _)m (2016年12月11日 11時) (
レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - ホントにそうですよ！笑こんな、イケメン兄貴がいたら自慢になるし、いいことありすぎて！更新、ありがとうございます!! (2016年12月11日 8時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» うちのお兄ちゃんでもいいと言っていただけたら有難いですm(_ _)mコメントありがとうございます！ (2016年12月8日 8時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - キャーーー!!雅貴ーー!!広斗もいいですけど、雅貴もいいですね！ (2016年12月7日 18時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» れおなさん、お久しぶりです！期末テストお疲れ様ですm(_ _)mコメントは下さるだけで有り難いです！はい、共に買いましょう！デーブイデーを！笑 (2016年12月1日 19時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tetoratora0216 | 作成日時：2016年11月25日 18時
