FOREVER YOUNG AT HEART 零.

04. ページ5

スモーキーは案外いい奴で、私が無名街に入った事も許してくれた。逆にララを庇ってくれてありがとうとお礼まで言われてしまった。そして今、無名街と外を隔てるフェンスの所まで送ってくれた。ララとスモーキーは血の繋がらない兄弟らしい。二人はそんな大事な事を教えてくれた。


「悪かったね、送ってもらって」
「いや、見つかるといいな。琥珀」
「ありがとう」
「またね！Aさん」
「Aでいいよ。またね」


微笑んで軽く手を上げると、ララも笑って手を振ってくれた。二人に背を向けて無名街を出る。


「素敵な人だったね、Aさん」
「見た目はな。あれは只者じゃねえぞ、なんせあの琥珀の妹だ」
「そっかあ」


二人がそんな話をしていたとは、知る由もなく。
私は琥珀を探して次の場所を目指していた。







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「きゃあああ！助けてえ」


人目の避けられる地下駐車場に入ったら、休む間も無く女の人の悲鳴。こっそりと覗くと、黒尽くめの男二人がライトバンに女の人を無理矢理乗せている。えー、やだな…何あの人達、人身売買？何処ぞの国のマフィア？か、関わりたく無いなあ。


「ちょっと、そこのお嬢さん」


見つかりました、何かオカマ？っぽい方に声を掛けられました。ちょっと無視して自販機でお茶を買ったらズカズカと近寄って来て“無視してんじゃないわよ、アンタ、”と耳元で言われたから肩を竦めた。煩い、このオカマさんヤバイ。


「何ですか？ヤバイのとは関わりたく無いんですけど。手短にお願いします」
「ははーん、ヤバイって解っちゃってんの。じゃあ、仕方ないわねえ…車、大人しく乗りなさい」


何言ってんだ、このオカマさん。そんなの嫌に決まってんだろ、と思いながら疲れもあってか非常に危険も悪い私はオカマさんを横目に緑茶を一気飲みする。そして、言った。


「嫌だね。私そんなに暇じゃないんだけど」
「んまあ〜、いい度胸してるわね！この小娘、やっちゃうわよ」
「悪いけど、機嫌悪いし疲れてるし歯の一本は覚悟してもらうよ？」


私が目の色を変えると、オカマさんは驚いた様に私を見てから後ろの長身の男を見てから口角を上げた。


「いいじゃない、面白い。相手してあげる、言っとくけど私、女だからって容赦しなっー」
「御託はいい、来い」


オカマさんの言葉を回し蹴りで遮って言うと、面白いとばかりにオカマさんはニヤっと笑って拳を突き出して来た。




あー、お腹空いた。




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