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“俺を好きになれば”
疑問形じゃなく、自然とそう溢した様な広斗の言葉に顔に熱が集まるのが解った。そっと広斗から身体を離して見上げると、真剣な眼差しが向けられていてどくっと心臓が跳ねる。
「そこは、冗談に決まってんだろって言うところだよ」
広「、A−」
私の頰に手を添えて、真剣な表情のままの広斗の顔が近付いて来たその時、
ガチャッ −
雅「たっだいま〜!すき焼きの肉が特売だった!すき焼きしようぜ、すき焼き!…え?」
ばっと、勢い良く離れて雅貴君に二人して向き合う。広斗は“肉、食いたかったとこ”と答えて雅貴君から材料の覗く紙袋を取り上げてさっさと台所へ足を向けた。
その背後、広斗の耳が少し赤い気がした −
雅貴君が来なかったら、今頃…何となく手で唇を覆ってしまう。きっと今、私の顔赤い。
雅「?どーしたの?何かあった?」
「なっ!何もないよっ!!てか、おかえり!」
雅「何、慌ててんの?ただーいま♡」
雅貴君に抱き着かれて、何だか顔を見られずに済んである意味ほっとしてしまった。
−−−−−−−−−−−−−−−
雅「もしかして、お邪魔だった?」
広「、別に」
雅「邪魔だったんじゃん!何その間は!」
広「るせえな。別になんでもねえよ」
台所で広斗が煙草を吸う様になった。否、煙草は吸うんだけどAが来てから部屋やリビングでも吸う事が無くなった。台所で吸ってる姿を見るのも少なくなったかも知れない。怒るだろうから聞かねえけど、絶対Aの影響。
雅「好きなの?」
広「は?」
雅「惚けんな、Aだよ」
広「...わかんね。でも気になる、ほっとけねえ」
雅「(弟よ、それを世間では恋というんだよ)」
広「アイツ、まだ好きなんじゃねえかな…あの死んだ龍也って奴のこと」
雅「可能性はあるねえ。広斗君、もしAの事好きなら久々じゃね。そーいうの、」
広「わかんねえっつてんじゃん。俺はアイツの望む通りにする。それだけだ」
広斗は短くなった煙草を灰皿に押し付けて、台所をさっさと出て行く。其処でAに会ったのか二人が何やら話をしている。広斗、お前無意識だろうけど声が優しくなってんだよ。
それに、Aを見る目がもう少し前から恋してる様な自然と目で追ってんの、お兄ちゃん気付いてたよ。
Aは、そんな広斗に今…戸惑ってんだろーな(笑)
雅「頑張れ、若者」
なんて、見えない二人の背中をガッツポーズで応援してみる俺。
お前等なら大丈夫 −
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テトラ(プロフ) - れおなさん» 喜んで頂けて嬉しいです!これからも良かったら読んでやって下さいm(_ _)m (2016年12月11日 11時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - ホントにそうですよ!笑こんな、イケメン兄貴がいたら自慢になるし、いいことありすぎて!更新、ありがとうございます!! (2016年12月11日 8時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» うちのお兄ちゃんでもいいと言っていただけたら有難いですm(_ _)mコメントありがとうございます! (2016年12月8日 8時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - キャーーー!!雅貴ーー!!広斗もいいですけど、雅貴もいいですね! (2016年12月7日 18時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» れおなさん、お久しぶりです!期末テストお疲れ様ですm(_ _)mコメントは下さるだけで有り難いです!はい、共に買いましょう!デーブイデーを!笑 (2016年12月1日 19時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tetoratora0216 | 作成日時:2016年11月25日 18時