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顔に紅葉が彩る雅貴君の頰、私はそれを見ながらお味噌汁を啜る。びっくりして頰を叩いてしまったのを少し後悔しつつも、だって胸!という思いもあってモヤモヤしてます。
「兄貴がわりいだろ、気にすんな」
隣から広斗の視線が向けられて、苦笑いすると雅貴君がごほごほっと噎せてから言った。
「ちょっ!ごめんて、悪気は無かったんだってば!」
「悪気なくて胸揉まれたら女は堪んねえよ」
広斗は雅貴君のこんな行動は見慣れているのか、呆れた様子ではいるものの冷静に対処する。最後の一口のご飯を口に運んで手を合わせた。
「ご馳走様でした」
「A、ごめんね!気を付けるから!なるべく」
「なるべくかい!」
私が突っ込むと下を向いて笑う広斗に、にひっと私を見て悪戯に笑う雅貴君。
「まあ、減るもんじゃないし?胸触られてきゃあきゃあ騒ぐ様な歳でもないし?!」
「そう言われりゃそーだな」
「大きくするのに貢献しようか?♡」
「 お ま え ら 」
負のオーラが全身から立ち込めれば、二人は声を揃えて“ご馳走様”と言って流しに重ねた食器を下げている。意外な行動に少し驚きながら、蜘蛛の子を散らした様に去って行く二人の背中を可笑しくて笑いながら見送った。さて、食器洗っちゃいますか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、洗濯物も干したし買い出しでも行こうかな。冷蔵庫に何もないし。今日はハンバーグにしよう!確か近くにスーパーあったしね。財布を持つと雅貴君の部屋をノックする。“はーい”と聞こえたから“開けるよ”と言ってドアを押し開けると半裸の雅貴君が立っていた。
「ちょっと!ダメならダメって言ってよ!」
「ダメじゃないよ、こんくらい全裸じゃないんだから〜」
はははっと笑いながら両手を広げて近付いてくるからドアの方へ後ずさりした。まだ慣れません、雅貴君のスキンシップ(?)…セクハラ(?)。
「あのね、買い物行ってくる」
「そっか。なんか作ってくれるの?」
「夕飯とか、家事諸々…やります」
「え、悪いから程々でいいからね!」
「じゃ、家賃払わなきゃ」
「いらないよそんなの!」
「ええ、」
「飯作ってくれたらそれでいーよ♡」
「…そんな上手じゃないよ」
「じゃあ、身体で払う?」
腕を引かれて雅貴君のベッドに押し倒される。見上げると、雅貴君はふっと笑っていて抑え付けられた腕がびくとも動かない。女ってこうも無力。
ちゅ、と頰にキスを落とされる。
「妹が出来て嬉しいよ」
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テトラ(プロフ) - れおなさん» 喜んで頂けて嬉しいです!これからも良かったら読んでやって下さいm(_ _)m (2016年12月11日 11時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - ホントにそうですよ!笑こんな、イケメン兄貴がいたら自慢になるし、いいことありすぎて!更新、ありがとうございます!! (2016年12月11日 8時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» うちのお兄ちゃんでもいいと言っていただけたら有難いですm(_ _)mコメントありがとうございます! (2016年12月8日 8時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
れおな - キャーーー!!雅貴ーー!!広斗もいいですけど、雅貴もいいですね! (2016年12月7日 18時) (レス) id: 3a84a667db (このIDを非表示/違反報告)
テトラ(プロフ) - れおなさん» れおなさん、お久しぶりです!期末テストお疲れ様ですm(_ _)mコメントは下さるだけで有り難いです!はい、共に買いましょう!デーブイデーを!笑 (2016年12月1日 19時) (レス) id: 7f7b42d4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tetoratora0216 | 作成日時:2016年11月25日 18時