【獄都事変】雨と花と【木舌】

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翌朝、佐疫の部屋を訪ねてみる








｢おはよう、木舌

珍しいね...どうかしたの？｣






朝から爽やかな笑顔で迎えてくれる







｢実は、佐疫に相談したいことがあって
朝早くからすまないね｣





｢いいよいいよ
とりあえず、中にどうぞ？｣









整頓された部屋の中




大きな本棚には綺麗に並べられた様々な本、ピアノの譜面もあるのだろう




繊細な彼らしい部屋だ









｢で、相談って？｣





｢唐突で申し訳ないんだけど...


女の子に花を贈ろうと思ってるんだ


それで、どんな花を贈ったらいいかなって、佐疫に意見をもらいたくてさ｣






｢へぇ...って、え！！？｣




驚いたように目を見開く佐疫






｢え！？そんなに驚く！？｣





｢だって！あの木舌が！？


女の子に花を....ねぇ....｣







うーんと考え込む佐疫






おれが女の子に花を贈るのがそんなにおかしなことなのだろうか








｢そうだなぁ...


あぁ、じゃあこれを貸してあげるよ｣







そういって本棚へと手を伸ばす佐疫




一冊の厚い図鑑のようなものを取り出すとおれに差し出してきた









｢これは？｣







｢花言葉図鑑。女の子は意外と花言葉を知ってたりするものだからね


何か気持ちを伝えたいならその中で探してみてもいいんじゃない？｣






しばらく貸してあげるからさ、とにっこり笑う佐疫








｢ありがとう佐疫、助かった｣


｢いーえ！また困ったらどうぞ｣

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