【実況者】魔法使い候補は天使に恋をする【レトルト】

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ごめん、と申し訳なさそうに頭を下げる彼



そんな気はしていた






嘘、ほんとは上手くいくと思ってた



昔から女っ気の無い人だったから
彼女がいるなんて噂も聞かないし
かといって好きな子がいるわけでもなさそう





隣の席で笑う彼は、きらきらして見えた






レトくんが落とした消しゴムを私が拾って渡してあげて、

話したこともなかったからそれだけでドキドキしてて




いつの間にか仲良く話せるようになって
冗談も言い合う仲になって



一緒に過ごす時のドキドキが、慣れてないからじゃないんだって気づいて




それから、バレンタインデーにチョコも渡して





でもどうしても、


"好き"の二文字が言えなくて




結局伝えずじまい。高校で離れ離れになって。
きっとレトくんは私のことも忘れてて






やっと会えて まだ自分のことを覚えててくれたことが嬉しくて、きっと今も彼女はいないんだろうなとか
これなら私にもチャンスあるかもとか




考えてた矢先に






レトくんはいつの間にか大人になっていて


好きな人がいる、なんて




それでも、きっと慣れてないからだろうけど
私の知らない女の子に恋するレトくんは一生懸命で、なんだかそんなところも可愛く見えて


より一層好きが積もってしまった。





困らせるとわかっていて伝えた私の思いは迷惑だったかな



でもきっと彼はそんなこと思わないんだろうな





....優しいから。









もっと早く伝えてたら、もしかしたら


この恋の結末は、変わっていたのかな





なんて。









『今日飲み行こ！！拒否権はなし！笑』




友達にそうLINEして颯爽と歩き出す




これでやっと前に進める

もう後悔はしないと思う








にしても中学生の時の片思いを今までずっと引きずってきてたなんて



話したら笑われちゃうかな





ぴろん、と聞き慣れた通知音




友人からの了解のスタンプを確認し、私は行きつけの居酒屋へと歩き出した。

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