【実況者】魔法使い候補は天使に恋をする【レトルト】

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｢あの、さ｣




｢？ なぁに？｣





｢手、繋がへん？｣





そう言って手を差し出せば





｢...う、うん...！｣








ぎゅっと繋いだ手から温かな熱が伝わる
指を絡めるとAちゃんの手の小ささがさらによくわかった







｢Aちゃん、手ぇ小さいな｣





｢レトくんの手は、おっきいね｣







そんなことを言いながら、結局名残惜しさに負けて公園までではなく、彼女のマンションの下まで来てしまった。







｢じゃあ、もう無理しちゃだめやで｣





｢うん、ありがとうレトくん


パーカーとジャージ、洗って今度返すからね！｣





｢おう、ありがとう。

じゃあ、また｣






｢うん....本当にお世話になりました｣








どことなくさみしい別れ





これまでと違うのは、



俺がAちゃんの彼氏で
Aちゃんが俺の彼女だってこと。





いつまでもこうしてはいられないので手を振ってくるっと向き直り、歩き出す









....いつかは慣れるもんなんかなぁ





と考えながらとぼとぼと歩いていると









ぽふっと背中に抱きつかれた感触









｢....へ？｣








｢レトくん！ほんとにありがとう！！


だいすき！！


これからよろしくお願いします！！｣









震える声は間違いなく彼女のもので。









ばっと離れた彼女はマンションに走って入っていってしまった









一人立ち尽くす俺









膝から崩れ落ちるようにしゃがむと両手で顔を覆い









｢も〜〜〜


....可愛すぎる、やろ...｣









香坂玲斗、大学3年生 21歳
未だに童貞






魔法使いを目前に
可愛らしい天使を捕まえそして、





大切にしたい人ができました。

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