【実況者】魔法使い候補は天使に恋をする【レトルト】

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Aside



ベッドの中でぐるぐると考えるのはさっきコンビニで見たあの光景




レトくんと仲の良さそうなあの可愛らしい女性のこと


楽しそうに話すレトくんのこと






なんだか夕飯を作る気力もなくなってしまい、お風呂に入ると早めにベッドに潜ってしまった




解決法は簡単である





自分からレトくんに連絡して

"私も好きです"


と返事をすればいい




ただそれだけのことなのに



たったそれだけのことができずに今の私は悶々と悩んでしまっている





｢....ほんと馬鹿みたい｣





なんだか頭も痛いし、考えすぎかな



目を閉じるとゆるゆると眠りに落ちていく









｢Aちゃん、ごめん｣




目の前のレトくんが困った顔をしてる




どうしたの、と問いかける前にその答えが提示された




｢俺もうAちゃんのこと好きじゃない｣




心臓を鷲掴みにされたように、

呼吸が乱れていく




｢他に好きな人ができてしまったんよ｣




申し訳なさそうに、目をそらして話すレトくん




私とレトくんの距離はどんどん離れていく





｢それに俺、体弱い子の面倒なんて見てられんし｣




どうして知ってるの？





｢もうええやろ、Aちゃんも困って返事返せなかったんやろ？｣





違う、違うの


やめて、やめてよレトくん




ちゃんと説明したいのに声が出てこない



どうして、






｢じゃあな、Aちゃん｣





悲しいくらいに爽やかな笑顔でレトくんがそう言い放った







待って、お願い行かないで、






声が出ない、息が苦しい、手は届かない









そこで、目が覚めた






｢...は、ぁ....｣





じっとりと体が湿っている。すごい汗



運動でもしていたかのように息切れしている。




｢なんだ....夢、か｣





胸に手を当てて呼吸を落ち着かせる





嫌な夢、見ちゃったな





ぱっとスマホを手に取る



まだ4時か....






少し早い気もするけど、汗かいて気持ち悪いし....





シャワーを浴びることにした









いつもより熱めのお湯が体を伝っていく




その熱がじんわりと心を溶かすように


少しでも不安を流してくれるように







返事をしたいのに


ちゃんと好きって言いたいのに




勇気が出ない
まだ私は踏み出せない





きゅっとお湯を止めて気を引き締める




早くなんとかしなきゃ。





だるさの残る体を無理やり動かすように
大学へ行く支度を始めた

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