私のトリップした世界は……

信長様のこいばな ページ26

ASide

A「うう、ひっく……」

信長「また蘭丸と何かあったのか」

最近心が脆い私は何かあるごとに信長様の部屋に通っている。何かってほとんど蘭丸さんのことなんだけれど

A「うぅ……はい、そうです……信長様は知ってますか？10年ぐらい前に織田軍にいた女性のこと」

もしかしたら信長様ならその女性のことを知っているかもと思って聞いた。

信長「……あぁ」

信長様は少し言葉を濁した。

A「どんな女性だったんですか？織田軍にいたからやっぱり女中さんとか……？」

信長「いや、あいつは少し変な力があっただけで普通の娘だった。花のように可愛らしく笑い、俺達が傷を負うと泣いて手当をしてくれた……」

懐かしそうに目を細める信長様はとても優しそうな顔をしていた。

多分信長様は……
A「その女性のことが好きなんですね……」

微笑んで言うと信長様は少し顔を赤くしたがまたいつもの冷静な顔になった。

信長「もう、あいつには会えん……」

信長様が何かボソっと呟いたが上手く聞き取れなかった。

A「なんか言いましたか？」

信長「いや、なんでもない。それよりそろそろ蘭丸の所に戻れ。すぐに怒る女は嫌われるぞ」

A「ひどーい！4年後にはきっと素敵なレディになってますからね！信長様も私にメロメロですよー」

信長様が煩そうに顔をしかめたので私は静かに退散した。

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