★ ページ23
白「あ………」
ラウールはそのカッターから視線を外すことが出来なくなった。そして気づけば、だんだんと息が上がっていくことに気づく。
さっきの暴力は、本当に昔両親に受けていたものにそっくりだった。
両親はいつも、理不尽な理由でラウールを殴り続けた。罵倒した。さっきの生徒も、ラウールからしたら理不尽すぎる理由で殴ってきた。
別にラウール自身何も悪いことはしていない。何1つしていないのだ。
自分の生きてる意味ってなんだろう。そう考えていたら、気づけばそのカッターをラウールは手にしていた。
そして見えた自分の手首にカッターの刃を押し付けた。
シュッ。
押し付けたカッターの刃を横にスライドさせれば、赤い線が手首に引かれた。なんだかその事にホッとして、何度かその行動を繰り返す。
4本ぐらい赤い線を手首に引いたところで、ラウールのスマホが鳴った。
そこでラウールは、一気に意識を現実に戻す。
慌ててスマホを確認すれば、今日の迎え担当である佐久間からで。
白「もしもしっ！」
桃《あ、ラウ？遅いけど何があった？》
白「何も無いよ！大丈夫」
桃《そう？遅いから、心配になっちった》
白「ごめんね！すぐにそっちに行くから」
ラウールはそう言って電話を切る。
慌てて自分の体を見て、表面的におかしい所はないが確認する。幸い、ラウールを殴ってきた生徒は足を使わなかったため、制服に汚れはついていない。パッと見、殴られたかは全然分からない。
そして、手首に慌ててティッシュを巻き付ける。そしてその上から、佐久間から貰っていたリストバンドをつけた。
この時、佐久間からリストバンドを貰って嬉しくて毎日つけていた自分を褒めた。これだったらきっとバレないだろうと。
慌てたようにして教室を出て、迎えが来ている場所に向かう。
白「ごめん遅くなって！」
桃「大丈夫でやんすよ」
赤「でも、遅くなると心配だから次からは早く来てくれたら嬉しい」
白「ふふっ。はーい」
佐久間と一緒に来ていた宮舘の言葉が嬉しくて。ラウールは幸せを噛み締めるようにして笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2240人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アーサー(プロフ) - ラウちゃんが修学旅行に行っちゃう話が見たいです！ (2022年10月27日 8時) (
レス) id: 94981e7597 (このIDを非表示/違反報告)
未彩季(プロフ) - ななさん» 作者様が忙しく更新されていません (2021年3月15日 22時) (レス) id: 719acb52df (このIDを非表示/違反報告)
なな - いきなりのコメントすみません！この小説は完結したのですか? (2021年3月6日 22時) (レス) id: ce1229467a (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - リクエストお願いしても宜しいですか？屋敷に敵襲がやって来て、皆の前で白さんが人質に取られて倒れてしまうほど傷付けられたのを見てしまい、暴れまくるというお話がみたいです！ (2020年9月5日 23時) (レス) id: ed9b238989 (このIDを非表示/違反報告)
芽那(プロフ) - ありがとうございます！ (2020年9月3日 20時) (レス) id: b51a0fe72c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふーちゃ
| 作成日時：2020年7月22日 17時
