★ ページ32
紫「………ごめん。いつか、話したいとは思う。でも、今は、ごめん」
誰とも目線を合わせず、深澤がぽつりと零した。それに対して誰も文句は言わない。
誰にだって、言いにくい過去はある。それを無理やり聞くようなことは、絶対にしてはいけない。
緑「でも、ラウールはパイロットになりたがってたんだ」
橙「それやったら、めっちゃ頭よさそうやな」
紫「そうなんだよ！ラウね、めっちゃ頭よかったの」
さっきまで寂しそうな顔をしていたくせに。今度はキラキラとした表情で、ラウールのことを話し始めた。
ここで7人はあれ？と思う。こいつさっき、今は話せない的なことを言っていたはずなのに、と。
赤「ふっか？あの、話せないんじゃないの？」
紫「あー…。ま、あれだけどさ。…ラウがどんな子だったとかは全然話せる。むしろ、みんなに知ってほしい」
黄「たしかに。ラウがどんな子だったとか、俺ら詳しくは知らないもんな」
青「ま、話せよ。お前が話せる範囲で、ラウールのことを」
黒「めっちゃ聞きたい」
少し穏やかな表情でみんなが深澤を見る。みんなの視線を集めた深澤は、身振り手振りを交えながらラウールの話をした。
ラウールとの出会いや、ラウールと過ごした日々のこと。
ラウールの夢のことや、何故あんな状態になったかは一切触れなかった。それでも、話せる範囲でラウールの話をした。
紫「よっし。お前らには特別、ラウールの超絶天使すぎる写真を見せてやる」
桃「超絶天使だと…！？お前、そんなの隠してたでやんすか！」
紫「あぁ。本心を言うのなら、これは見せたくはなかった。けど、お前らになら見せてやる」
今日は見せないけど。
深澤の最後の一言に、みんなからブーイングが来た。
青「おい！今日は見せないってなんだよ！」
紫「見せる順番を決めてないの！」
緑「そういうのマジでだる。さっさと見せなよ」
橙「怖っ。魔王阿部ちゃん降臨してるやん！」
だんだんとだが、いつものシェアハウスの雰囲気が戻ってきた。その事に、誰もがホッとした。
紫「まぁ、さ。これからもラウのことよろしく頼むね」
黄「言われなくても。それからふっか」
紫「ん？」
黄「いつか、お前が話せる時が来たら話せよ。俺らはいつまでも待ってるから」
紫「………ん。ほんと、俺らは幸せもんだよ。こんないい仲間に出会えて」
本当によかったと言って、深澤はニコリと笑った。
☆★☆★
おかえり、ひーくん。
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黎音(プロフ) - 水のですよね水野になってますよ (2020年7月13日 17時) (
レス) id: 68aa2fde0c (このIDを非表示/違反報告)
黎音(プロフ) - からうは方言ですよ。たぶん背負うだと思います (2020年7月6日 19時) (レス) id: 68aa2fde0c (このIDを非表示/違反報告)
翔北(プロフ) - リュックをからうってなんですか、？ (2020年7月6日 19時) (レス) id: e89bc97fcc (このIDを非表示/違反報告)
果恋(プロフ) - リクエスト失礼します！よく、BARに来る男の人が舘様を襲ってしまい、その時に翔太くんが助けて、舘様がみんなに甘えるっていう話をお願いします！更新楽しみにしてます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: e8c769ac95 (このIDを非表示/違反報告)
しらゆき(プロフ) - はじめまして！楽しく拝見させて頂いております。リクエストなのですが、阿部くんが仕事でバタバタしてしまい、中々ラウが起きてる時間に帰ることもできず、そのまま体調を崩してしまう阿部くんと心配するラウの話が見たいです。わかりにくくてすみません。 (2020年7月2日 1時) (レス) id: 7bc484c107 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふーちゃ
| 作成日時：2020年6月21日 22時
