★ ページ30
桃「おぉー！ラウ、かっこいいでやんすよ」
白「ラウ、かっこいい？」
紫「ん。かっこいいよ」
パイロットの制服に着替えたラウール。みんなからかっこいいと褒められて嬉しそう。
照れくさそうにニコニコと笑いながら、みんなに見せびらかしていた。
京「何あれ。めっちゃかっこいいじゃん。羨ましい」
紫「本当、ありがとうございます。色々と準備してくださって」
京「別にいいってば。それと、その敬語やめてくれない？さっくんの友達は俺の友達でもあるから。ね」
紫「分かった。ほんとありがとね」
みんなに囲まれて嬉しそうに笑っているラウールを見ながら、深澤と京本がそんな会話をする。
京「よっし。じゃあメインイベント、機長席に行こっか」
白「きちょうせき？」
京「そう。飛行機を運転する席のことだよ」
京本から機長席について聞いたラウールの雰囲気が少しだけ変わった。それに、みんな気づく。深澤だけ、少しだけ泣きそうになっていた。
そして京本に案内されて、みんなで機長席に着いた。
京「はい。ここが、」
京本が説明しようとしたその時、ラウールがフラフラとしながら機長席の内部に入る。それをみんなが黙って見つめる。
キョロキョロとしながら内部を見て、そして笑ったのだ。
いつもとは違う、大人びた表情で。
京本を除いた8人が目を見開いて驚いた。深澤に至っては、我慢が出来ず涙を零した。
でもそれは一瞬のことで、すぐにいつもの子供のような笑顔に戻る。
白「すごいスイッチいっぱい！ねぇ、これおしていい？」
京「いいよ。なんなら、座ってみる？」
白「いいの！」
京本に言われるがまま、嬉しそうに席に座るラウール。
それを泣きながら見ている深澤に岩本が駆け寄ってきた。
黄「おい、ふっか」
紫「ごめん。我慢が出来なくてさ」
黄「何で泣いてんだよ」
紫「……………夢だったんだよ」
黄「は？」
紫「パイロットになりたい。ラウールの夢だったんだ。昔からの」
深澤の言葉に、誰もが口を閉ざした。
ラウールの昔からの夢。
もう、絶対に叶えられることのない夢。
紫「少しでいい。叶えてやりたかったんだよ」
泣きながらそう言った深澤を、岩本はただ慰めるように背中をさすった。
7人はまだ知らないラウールの過去に触れた気がした。
☆★☆★
コメント返事
mu-pon様
ありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです。またリクエストがありましたらよろしくお願いします。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1062人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黎音(プロフ) - 水のですよね水野になってますよ (2020年7月13日 17時) (
レス) id: 68aa2fde0c (このIDを非表示/違反報告)
黎音(プロフ) - からうは方言ですよ。たぶん背負うだと思います (2020年7月6日 19時) (レス) id: 68aa2fde0c (このIDを非表示/違反報告)
翔北(プロフ) - リュックをからうってなんですか、？ (2020年7月6日 19時) (レス) id: e89bc97fcc (このIDを非表示/違反報告)
果恋(プロフ) - リクエスト失礼します！よく、BARに来る男の人が舘様を襲ってしまい、その時に翔太くんが助けて、舘様がみんなに甘えるっていう話をお願いします！更新楽しみにしてます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: e8c769ac95 (このIDを非表示/違反報告)
しらゆき(プロフ) - はじめまして！楽しく拝見させて頂いております。リクエストなのですが、阿部くんが仕事でバタバタしてしまい、中々ラウが起きてる時間に帰ることもできず、そのまま体調を崩してしまう阿部くんと心配するラウの話が見たいです。わかりにくくてすみません。 (2020年7月2日 1時) (レス) id: 7bc484c107 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふーちゃ
| 作成日時：2020年6月21日 22時
