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『久しぶりに楽しくて時間忘れたわあ』
「私も!とっても楽しかったです!」
二人の間にそろそろお開きの雰囲気が流れる。
『今更やねんけど、連絡先聞いてもいい?
また次の予定の話とかもしたいし』
「あ、ぜひぜひ!」
スマホを取り出して連絡先を交換する。
連絡先に増えた【神山智洋】の文字に思わずにやけてしまう。
『じゃあ行こか〜』
伝票は気づけば神山さんの手にあって、財布を取り出すと
これぐらいかっこつけさせてと奢ってくれた。
「ご馳走様でした!次は私に払わせてくださいね!」
『いやいや払うのは俺に頼ってくれたらいいよ〜』
これでも一応稼いでますんで!とおどけた顔を見せた後に、
『じゃあどうしてもって言うんなら、堅苦しいし距離感じるから神山さんって呼ぶのやめて欲しいなあ。敬語も寂しいし嫌やな〜。』
Aちゃんにはそれだけお願いします!
俺みんなからは神ちゃんとか呼ばれてるんやけど〜?と期待のこもった目線をもらうとそう呼ぶ以外選択肢はない。
さっきもやられたんだよな、この必殺可愛い顔。
年上なのに可愛いなほんと。ずるい。
「…じゃあ。神ちゃん、ご馳走様」
『よしっ!じゃあ、送ってあげれんけど気をつけて帰ってな』
「うん!神ちゃんも気をつけてね」
じゃあまた!とお互い手を振りながら逆の方向に別れる。
私は帰り道、「今スマホを落としたらどこぞの映画まではいかなくても連絡先の名前を見られて血祭りにあげられるな」とか考えてしまったせいで家に着くまでぶるぶる震えながら両手でスマホを握りこんで帰った。
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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=ssecret777&scr=novel/tetetetetete1... 作成日時:2019年11月2日 14時