キスフレ (ページ17)

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「じゃあかんぱーい！」

「「『かんぱーい』」」

各々のグラスを軽くぶつけて乾杯する。
神ちゃんの方をチラッと見ると
『はあい、お疲れさーん』ともう一度ぶつけてくれた。
久しぶりの神ちゃんを盗み見しながら飲む酒はうまい。横顔が綺麗すぎる、つまみだ。

それにしても神ちゃんにこたつって似合うな
既視感がある。何だろ。

「コンサートいつからだっけ？」

『来月からよ。ユカちゃん今年もくる？』

「旦那が振付たダンス見に行こっかな」

『ええ俺も見てや』

ああ、分かった。猫だ。
大きめのトレーナーも相まって灰色の猫にしか見えない。
猫はこたつで丸くなるもんな。

「あ、じゃあ神ちゃん見る要員でA連れてくわ。ね？」

「んえ？」

既視感の正体が猫だと気づき大きく頷いていた私に話が振られる。
生憎、話を聞いてなかったために間抜けな声を出した私に3人の視線が集まる。

「えっナンデスカ」

神ちゃんは期待の篭ったキラキラおめめでこっちを見ている。なんだ猫、可愛いぞ。

『Aちゃん来てくれるん！』

どうやら私が既視感を(省略)の間に、来月から始まるコンサートにユカコと一緒に行くことが決定してたらしい。