81. ページ32
「ごめんミリョン、待った?」
「ううん」
ジミンを屋上に来るよう誘った。
伝えるために。
ジミンはそんなこと知りもしないから、中学生みたいに、呼び出して告白でもされるのかとわくわくしてるのが、私でも分かる。
「何?話って。
僕もミリョンに話したいことがあるんだよね」
そう言って私の顔を覗き込んだ彼の顔から笑顔が消えた。
泣いていたんだ。私。
「あの...ねッ......私、...っ...過去から来たのッ......」
「.........」
「いつか.....................帰らなくちゃ...ッいけないの」
ジミンの顔を見やると、彼はさっきまでの硬い表情はどこへ行ったのか、うっすらと優しく微笑んでいた。
「...............そっか」
彼はそれだけ言うと、目に涙をいっぱいに溜めて、それでもにこりと笑った。
「ミリョンは、僕の人生に突然現れた天使だから。
...天使は、ずっとは人間と一緒にいられない」
彼が一生懸命に笑ってるっていうのに、私はどうしても自分の涙を止められなかった。
「だけど、天使は側にはいられないかもしれないけど、ずっと皆の心の中にいるんだよ」
そう言って抱き締める彼の腕が力強くて、胸があたたかくて、私の嗚咽は更に酷くなる。
秋晴れの空の下、私は彼の温もりを側に感じて、生まれて初めてなぐらいに泣いて泣いて、泣いた。
34人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:寧桜 | 作成日時:2018年4月14日 22時