消えてしまう前に、もう一度。- 2 -

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「.........ユンギ──」

「あ、そういえば俺、しばらくお前が起き上がれるようになるまで別の部屋で寝泊まりすることになったから、気にすんな」

「ねぇユンギ──」

「オマエ腹減ってね？」

「ユンギ聞いて！」

窓際に立って俯くユンギの姿は、消えそうにか細く、弱く見えた。

消えそう...か。

「.........私、過去から来たの。

まだ、地球があった頃」

振り向くユンギの顔は動揺でいっぱいで、子供みたいに分かりやすかった。

「私、何かで自殺して、未来に来たんだと思う」

沈黙が続いて、エアコンのカタカタいう音だけが部屋に響いた。

「私、いつか帰らなくちゃならないんだと思う。向こうでは、お母さんが、私を呼んでる」

きらりと光るユンギの瞳。

「...嘘だろ、勘違いだよ。お前、頭おかしくなったんじゃね？」

震える声。

どうしちゃったのユンギ。

こんなときこそ、いつも通りでいて欲しいのに。

馬鹿にしたように笑ってほしいのに。

彼は瞳に涙をいっぱいに溜めて、私から目を逸らさなかった。

「...ううん、いつか、終わりが来るの」

いざ声に出すと、虚しく響くものだ。