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ボフンっ··
「片付けよろしく、あたし、、」
「はいはい」
さっき“外では”使わないって言ったけど、家の中ではよく影分身を使う。
と言っても、何度も言うようにコントロールが難しくて出せるのはほんの数分。
今日みたいな会社が休みの日は、家にこもってチャクラを練る修行をする。
何故かって?
あたしはきっと、戻れると信じているから。
今後の展開を見せないようにしている事、チャクラを扱える事がその証拠に違いないと確信している。
···正直、こっちの世界で死ねば行けるのかもしれないけれど、そうしないのは
カカシと約束したから。
必ず、生きると。
「ねぇ、部屋汚すぎ···」
もう一人のあたしが割れた皿を片付け終え、ため息混じりに言った。
確かに、今のあたしの部屋は本や雑誌、新聞が山積みになっていてとても綺麗と言える状態ではない。
これらは転生について集めた資料だ。
と言っても、怪奇現象みたいなものばかりでどれも冗談混じりな文ばかりだった。
それでも少しだけ分かった事がある。
死んだはずの遺体がなくなる、と言うこと。
そんなありえない出来事を雑誌や新聞では呪いという言葉で終わらし、その家族達は天に登った、神様に仕えた、などと宗教がかった声を上げている。
そう考えないとやってられないからだろう。
そんな残された者達を気味が悪いと突き放し、噂は時間が経つと消えてゆく。
そして怪奇現象として終わるのだ。
···リンもその一人だった。
あの日、事故で亡くなってからリンの両親にはお前が代わりに死ねばよかったと罵られ、葬式にも参加させてもらえなかった。
そしてその日、あたしの家に押し入って来たリンの母親が言った。
【お前の呪いだ!お前のせいで骨も残らなかった!】
···と。
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てた(プロフ) - banana様、コメントありがとうございます!ぜひこれからもよろしくお願いします* (2020年12月12日 8時) (レス) id: eb07f08e0b (このIDを非表示/違反報告)
banana(プロフ) - とてもいい作品でした。続き楽しみにしています。 (2020年11月30日 0時) (レス) id: 7994b8d3a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てた | 作成日時:2019年12月11日 20時