距離 ページ17
カカシside
「そういえばカカシさんも親友の名が刻まれてるんでしたっけ。」
カカシ「あぁ。まーね。Aは？」
「あたしは•••うーん何から説明すればいいものか。」
カカシ「話してみ。俺Aのこと何も知らないし、ね。」
確かAは5歳の時にこの里に来た。
俺が暗部の頃、突然現れた女の子が侵入者と思われ牢獄行きになった。それがAだろう。
詳しくは知らないけど。
「•••カカシさんならいっかな？」
この子は秘密が多いな。
「驚かないで下さいよ？」
カカシ「なーに。」
「あたしはこの世界の人じゃなくて、異次元から来たんです。」
は？
カカシ「なんでこんな時に冗談を•••」
「三代目しか知らないんです。綱手様にも言ってないんですからね。
向こうの世界で、この場所はあたしの親友のお墓なんです。
お参りしている時に、気づいたらここに。戻ることなくずっと。」
そんなことがありえるのか？
「なぜここにいるのか、分からないんですけどね。実は夢なんじゃないかって思ってます」
あははと笑うAの横顔はどこか寂しそうで、大人びて見えて、俺の心臓を少し速くさせた。
たぶんありえない話を聞いたということもあるからだろう。
吊り橋効果ってやつかな。
カカシ「帰れなくて、寂しい？」
「あたしには両親が、家族が1人もいませんから•••。
帰れないことに関しては寂しくはないですね。
父は病気で。それを追うように母が自ら命を絶ちました。
それからまぁ、色々あって•••いつも支えてくれたのは親友のリンで。」
両親のことや、リン、、。
この子とはなぜか共通点が多い気がする。
「リンも居なくなって、•••あっ。」
Aは泣いていた。
「ま！あとは三代目に聞いて下さい！ぜーんぶ知ってますから！」
涙を袖で拭いながら、無理やり作った笑顔をする。
この子を抱きしめたいと思った。
カカシ「そうか•••。」
「そんな悲しそうな顔しないで？あ！ちなみにあたしこっちに来る前は27歳だったんですよ！カカシ年下！！」
次はイタズラな笑顔を見せる。
Aの表情には振り回されるなぁ。
って、、、
カカシ「27？！」
「そっ！こっちにきて子供になったから成長してるかは分からないけど本当は立派な大人なん••••、？！」
なぜか俺はAを抱きしめていた。
カカシside終
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作者名：てた | 作成日時：2019年5月17日 23時
