パン屑53個 ページ6
夜
月明かりが煌々と地面を照らす
彼等はとある地下を訪ねていた
予め聞いていた通りにノックすると
奥から仮面を着けた人間がひょこりと顔を出した
｢おやおや、初めての方ですかな？｣
『あぁ…面白い催しがあると聞いてな』
｢それはそれは！ご期待に添えると思いますよ！今夜は特に｣
『そうか｡それは楽しみだ』
｢ふふふふ…ところで、其方の方は？｣
フード越しに、後ろに控える2人を見る
爛々と瞳を揺らす2人に"コラ"と声をかけると、2人は静かに俯いた
『悪いな、血の気が多いんだ｡こんな生き方してたら、分かるだろ？』
｢そうでしたか！構いませんよ
ただ、手網はしっかりと握っておいて下さいね｣
返事の代わりに、首に繋がった鎖を見せてやる
"ジャラリ"と嫌な音を立てるそれを見ると、満足そうに笑った
ランタンに灯される階段を降りていくと、開けた部屋に着く
コートを取り上げ、丁寧に掛けると 椅子に座るよう促された
｢ところで、今夜のもちが…いやいや！予算はどのくらいで？｣
『そうだな…生憎金(ｶﾈ)ではないんだが…』
濁しながら、幾つかの小袋を机に投げる
中からは純金銀銅を始めとした鉱石や、宝石が零れる
目の当たりにした商人は、目を丸くして固まった
『こんなのでも良いか？』
｢⋯ぁ、あ！勿論です！いやぁ、拝見しても？｣
『勿論だ』
商人は外していた手袋を付け、一つ一つをじっくりと見る
ラピスラズリ、エメラルド、ルビー…
しまいには歪な形をしたダイヤモンドすらでてきた
｢はーー…なるほど…
お客様、宜しければVIP席にご案内させて頂きます！｣
『こればかしで…いいのか？』
｢こればかしだなんて！いやいや、有難いお話ですよ！｣
『そうか…なら、こいつらのこれも外していいな？』
｢勿論で御座います！VIP席には貴方様しかおりませんので！｣
そう言われ、先導されるままに席に着く
下に見える貧相な椅子とは違い、らっだぁの部屋に置いてあるような上質な椅子が並んでいた
｢間も無く始まりますので、今暫くお待ちくださいね！｣
『あぁ、楽しませてくれよ｡それと、宝石商を呼んでくれ
これで支払うにしても、価値がよく分からん』
｢畏まりました！少々お待ちくださいね！｣
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» コメントありがとうございます｡一段落着いたら、カウントをパンの個数にするのも、ありですね…とくめいさんも、体調気をつけてください｡これからも是非、よろしくお願いします (2023年3月2日 18時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。続編きちゃーー！！パン屑でパンが作れそう(？)体調に気を付けて下さいね！^^このお話がもっと評価されますように… (2023年3月1日 17時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年3月1日 16時
