パン屑84個 ページ37
狼憑きのもつ魔術は、この森の性質上見ることが出来ない為
帰還次第細かく聞くこととなり、いよいよ加護に移る
遠くで遊んでいた2人を呼び戻すと
仲良く手を繋いでこちらに駆け寄ってきた
『どうだ？なんかあったか？』
そう訪ねると、ラズはいそいそと何かを取りだした
小さな手には 目視するのも難しい程に繊細な飾りが
静かに包み込まれていた
『これは…どうしたんだ？』
ﾗｽﾞ｢あのね、くれたの！小さな子が居てね、可愛くて、
きらきらしてた子でね？その子がお友達と作ったんだって！｣
小さな子
それが何か、Aは直ぐに勘づいた
不変の森ではよく見かける"妖精"だ
それを見られるのは、この森に長く居た者か、魔力が高い者
Aですら、妖精を認識するまで何年もかかったのだ
それなのに、ラズはその存在を認識した
脳内に、必然的に後者であると紐づいてしまう
『そうか…良かったな｡大事にするんだぞ』
ﾗｽﾞ｢うん！それでね、あのね？
こっちのはお兄ちゃんにあげてねって！｣
飾りを持たない反対の手を開くと、そこにはまた別の飾りがあった
丁寧に作られたのがひと目でわかる程、それは綺麗で繊細だった
『あぁ、ありがとう｡後でアイツらにも礼を言っておこう
さぁ、魔法石に加護を付けてもらうぞ｡遅くなると厄介だ』
大樹の根元に腰掛けてそう言うと、他の皆もそれに倣う
難しい言葉を避けて、それでもしっかりと伝わるように…
一つ一つを丁寧に行われる様は、まるで儀式だった
『石を手で包み込んで、目を閉じてろ｡俺が唱える』
円になり座り、皆がそれに従う
祈りに似たその様に、また光の玉が寄ってくる
しかし、そこに声は聞こえない
Aの翳す杖を見たからなのか、それらは静かにしていた
『"母なる大地 父なる空 万物の主となる精霊神よ"
"今ここにある その力を継ぐことを望む 小さな命に答えよ"』
不変の森では感じるはずのない魔力が 大樹を中心に渦巻く
月が太陽を飲み込む様に 暗い光が森を照らしている
光の玉達は嬉しそうに大樹に集い、一層その光を強くする
『"私達はその力を 守る為に使う"
"私達はその力を 学び 育ち そして天命に尽くす為に使う"
"そしてこの命が尽き果てた時 その力は貴方に返します"』
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» コメントありがとうございます｡一段落着いたら、カウントをパンの個数にするのも、ありですね…とくめいさんも、体調気をつけてください｡これからも是非、よろしくお願いします (2023年3月2日 18時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。続編きちゃーー！！パン屑でパンが作れそう(？)体調に気を付けて下さいね！^^このお話がもっと評価されますように… (2023年3月1日 17時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年3月1日 16時
