パン屑83個 ページ36
決して引き出そうとしているように思えない様子に
きんときが、意を決したように前を向いた
ｷﾝ｢Aさん｡俺とNakamuは、人狼じゃないんです｣
きんときの言葉に、Aの目元が痙攣したのが 見て取れた
ｷﾝ｢騙していたんじゃないんです…
でも本当に！俺とNakamuは人狼じゃなくて……｣
『⋯なら、人間なのか？』
漸く聞けた声に、何人かが安心したように見える
しかし、その目は矢張り暖かいものではなくて…
疑う…と言うよりも、探るような目付きになる
それに負けじと、きんときはその目を真っ直ぐに見ていた
ｷﾝ｢⋯人狼は、2つの種類に別れるんです
1つは、狼の血が多い人狼｡もう1つは、人間の血が多い狼憑き
俺とNakamuは、どっちかって言うと狼憑きなんです｣
『⋯なんだ…そんな事か｡何となく分かってたさ』
Aは、呆気に取られた表情でそう言った
6人は、その表情に驚いた表情を浮かべる
Aは腕を組み、6人の顔を見直す
『耳、毛並み、指先からある程度気付いていたさ
まあ人狼憑きの存在は知らねぇけど…
それでも、なんか違うんだろうなくらいは思っていた』
そう言われると、6人は顔を見合わせる
言われて気付く 他との違い
耳を触ったり、髪や尻尾を触ったり…
反応はそれぞれだが、初めて気が付いたようだった
『ただ、人狼憑きと人狼の違いは他にもあるんだろ？
俺はそれも知らねぇ｡後後ゆっくり教えてくれ』
Aの言葉に、6人は嬉しそうな 泣きそうな顔をした
『そんな心配しなくても、俺はお前らを無礙にしねぇよ』
柔らかな声に、6人の涙腺は愈々限界を迎え
静かに涙を流し始める
1粒、また1粒と地に落ちる涙
それに寄り添う様に、小さな光の玉たちが寄ってくる
ーどうしたの？
ー泣かないで、大丈夫よ
ー怖くないわ
ー大丈夫、大丈夫
1つ1つが彼等の頬に擦り寄り、涙を掬おうとする
彼等にそれが見えているのかは知らないが……
それでも、次に顔を上げた時には 幼い笑顔が浮かんでいた
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» コメントありがとうございます｡一段落着いたら、カウントをパンの個数にするのも、ありですね…とくめいさんも、体調気をつけてください｡これからも是非、よろしくお願いします (2023年3月2日 18時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。続編きちゃーー！！パン屑でパンが作れそう(？)体調に気を付けて下さいね！^^このお話がもっと評価されますように… (2023年3月1日 17時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年3月1日 16時
