パン屑81個 ページ34
宝石のように輝く石
どこにでも落ちていそうな石
中でゆらゆらと水が揺れる石
断面が層になり光る石
一つ一つを手に取り、頭を捻りながら考える
どれが良いか…そもそも、良いとはどういう事なのか？
分からないなりに考えていると、Aが声をかけた
『目を閉じて色素版を思い出せ｡惹かれる色があっただろ？
それと同じで、惹かれる石もあるはずだ』
言われた通りに目を瞑る
脳内に、つい最近見た色素版を思い浮かべてみる
ある子は、燃え盛り消し去る炎に…
ある子は、凍てつき閉じ込める氷に…
ある子は、静かに流れる風に…
ある子は、飲み込む程の溶岩に…
ある子は、瞬きを駆ける稲妻に…
ある子は、生命を生み出す海原に…
ある子は、世界を照らす太陽に…
ある子は、光を証明する影に…
それぞれが、脳裏に焼き付いた景色に溺れた瞬間だった
皆の様子を見ていたAが、手を叩く
パンッ、と歯切れのいい音と共に
いつの間にか開いた目の焦点が定まっていった
『どうだ？何が見えた｡何を感じた？どれに、惹かれた？』
Aが悪戯にそう言うと
皆が石に目を向け、躊躇うことなく手を伸ばした
それぞれの手に収まる石を見ると、どこか嬉しそうに見える
⋯それは、Aだけの秘密だが……
『じゃあ次だ｡加護の付け方を教えるぞ
魔術師の人狼は分かんねぇが…失敗した時に考える』
Aがそう言うと、分かりやすく顔を顰める2人
気不味そうにしているのに気付いたのか Aは言葉を変えた
『あー⋯ラズ、クラン｡少し休憩だ
珍しい動物も居るだろ｡休みがてら少し遊んでこい』
ﾗｽﾞ｢？私は大丈夫だよ……？｣
ｸﾗﾝ｢⋯ラズ、私少し休みたい…一緒に居てくれる？｣
クランは何かを感じた様で、ラズにそう提案した
周りをよく見れるクランならそうするだろう、と考えていた
Aは、その通りになった現実に満足そうに笑う
ラズは、自分の思いを口にしてくれたのが嬉しいのか
クランの手を握って、満面の笑みを浮かべていた
『他は少し座学だ｡術学においては、あいつらより劣ってる
口頭で出来るものを教えていくぞ』
Na｢⋯はい…お願い、します……｣
明らかに歯切れが悪いNakamu
そんな彼を尻目に、クランはラズの手を引いて
ケルピーの元へと駆けていった
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» コメントありがとうございます｡一段落着いたら、カウントをパンの個数にするのも、ありですね…とくめいさんも、体調気をつけてください｡これからも是非、よろしくお願いします (2023年3月2日 18時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。続編きちゃーー！！パン屑でパンが作れそう(？)体調に気を付けて下さいね！^^このお話がもっと評価されますように… (2023年3月1日 17時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年3月1日 16時
