パン屑62個 ページ15
嫌に渋る商人
何かに勘づいたか…？
気付かれるような素振りはしていないはず
寧ろここまで自由なくらいじゃなくては、裕福さは出せない
悪いが、ここは我儘を言わせてもらおうか……
『なんだ？不満か？スマが良い物を見つければ買うんだ』
｢そう、ですが…｣
『スマ、行ってこい｡何かあれば、あの檻まで戻ってこい』
ｽﾏ｢ん…わかった｣
商人の話は聞かず、スマイルの鎖を手放す
ちゃんとその手に鎖を纏めて持つ姿は、少し可愛い
ぺたぺたと歩いていったスマイルを見送り
俺は2人の檻の前に屈む
安心と疑心を含む目はやはり綺麗で…
その奥で揺らぐ困惑に、思わず笑みが零れた
『ふはｯwそう警戒するな｡お前らを買った主だ』
｢なんでぼくらだったの？｣
『さぁ？俺のペットが、お前らがいいと言ってな』
｢⋯⋯何する気だよ｣
『君達に何かするつもりはねぇよ？』
心配そうにやり取りを見る商人
その存在が鬱陶しいのか、2人はちらちらとそいつを見る
話辛い事もあるだろうが…どこで誰に聞かれているか
分からない現状、ここで話してやれることは無い
｢さっきの2人は？｣
『さぁ？散策してんだろ
もう1人の…紫眼の奴が気に入ったのを見つけられないらしい
あの子が見つけてくるまでは、俺はここにいる』
中身なんてない、ただの雑談
談笑、と言うほど楽しそうにも見えないが
少しずつ彼等は俺の存在に気付きつつあるらしい
『お前ら、パンは好きか？』
｢！⋯⋯ふつう…腹に貯まればいい｣
｢僕はパンよりお肉の方が好きー｣
『そうかwwここを出たら、美味いのを食わせてやるよ』
外の景色を想像しながら、天を仰ぐ
生憎そこに空はないが…
代わりに、こちらを覗く瞳と目が合った
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_teto__teto_(プロフ) - とくめいさん» コメントありがとうございます｡一段落着いたら、カウントをパンの個数にするのも、ありですね…とくめいさんも、体調気をつけてください｡これからも是非、よろしくお願いします (2023年3月2日 18時) (
レス) id: 81bd52e713 (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - コメント失礼します。続編きちゃーー！！パン屑でパンが作れそう(？)体調に気を付けて下さいね！^^このお話がもっと評価されますように… (2023年3月1日 17時) (レス) id: e3803de454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_teto__teto_ | 作成日時：2023年3月1日 16時
