ら運営】元パン屋の秘密(男主)

パン屑61個 ページ14

警戒する2人を他所に、並べられた檻を見て回る
足枷や手枷は勿論…中には、吊り上げられた人間も見れる

それだけの危険性がある様には見えないが…
きっと暴れたら、手が付けられなくなるんだろう

『どうだ？スマ｡良いのはいるか？』
ｽﾏ｢⋯あんま、いない……｣

その顔に少しの焦りが見て取れる
ここに居るはずなのに、どこにも居ない

声も聞こえないのか、スマイルはキョロキョロと辺りを見渡す

Na｢主、俺歩いてきていい？オモシロそうなの見つけたい！｣
『⋯あぁ、あんまり遠くに行くなよ』
Na｢うん！｣

手は鎖で繋がれているから、暴れようにも暴れられないだろう
いや…彼の言葉が正しければ、いざとなれば引き千切るか…

まあ、なるならなる｡ならないに越したことはない…それだけだ

『商品はここだけか？人間しか居ないように見えるが』
｢申し訳ありません｡魔術師も何名かおりますが…
お客様を傷つけるわけにはいきませんので、ご勘弁を｣
『そうか…』

そう言われれば、引き下がらざるを得ない
しかし…ここに居ないのなら、恐らくそっちなのだろう

先程の2人は人間として売り出されていたが
残りの2人は魔術師なのがバレたのか…？妙な話だ

ﾐﾄﾞ｢"Aさん、Nakamuｸﾝが見つけた"｣
『⋯⋯』
ﾐﾄﾞ｢"そこからだと、2つ目の檻ﾉ奥の扉のﾑｺｳ"｣
ﾌﾞﾙｰ｢"何とか時間稼いで、競り始まるの待って欲しいかも…"｣

みどりとブルーからの指示に、溜め息が出る
商人は、品の質が悪いと思ったのか 少し肩を震わせた

『あぁ、すまない…スマ、歩いてきていいぞ
俺はさっき競り落とした2人と少し話をしてこよう』
｢お客様、手網は握って頂かないと…｣
『問題ない｡こいつらは俺の従順なペットだ
悪さはしないし、問題も起こさない』
｢しかし……｣

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