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もうお昼なのに…。
時透君おそいな。
任務か何かあったのかな。
でも昼間だし、
遠くの任務やらで来れないときは、
銀子ちゃんが文を持ってくる。
つまり今日は来るということ。
恋仲でもなんでもないのに何だ私は。
まるで夫婦じゃないか。
私は別に、時透君のこと…。
銀子 「カァ!A!」
A「うわっ!銀子ちゃん!」
びっくりした!
銀子 「無一郎カラヨ!」
銀子ちゃんは私に文を落とした。
A「ありがとうね。銀子ちゃん。」
銀子 「オ安イゴ用ヨ!」
ふふふ。可愛いなぁ銀子ちゃん。
銀子ちゃんが飛び去っていくと、私は文を開く。
やっぱり。時透君からだ。
『Aへ
急遽柱合会議をするらしくて今日はいけない。
なんか、鬼を連れた鬼殺隊員がいるらしくて。
僕、すぐ忘れるからどうでもいいんだけど。
兎に角ごめんね。
明日は来るから。
今日はちゃんとご飯食べて早く寝るんだよ?
時透無一郎』
…そっか。今日は来れないのか。
仕方ないよね柱なんだし。
…なんだか寂しいけど。
最後の文、心配し過ぎだよ〜。
ちゃんと食べるって。
A「…ん!?」
再度読み返してみて今気づいた。
鬼を連れた鬼殺隊員!?
そんな隊員いるの!?
鬼を連れている?
なんで倒すべき存在を連れているのだろうか。
鬼がいつの間にか大事な存在になっていたとでも言うのか?
いや、大事な人が鬼になったのかな?
だとしても鬼は駄目だ。
人を食べる鬼だよ?
一緒にいたら食べられるに決まってる。
それでも共に行動するってことは、
それができているということは…。
人を食わない鬼なのかな?
そうだとしても。
刀にはっきりと『悪鬼滅殺』という文字が刻まれているというのに。
私はその人を認めることはできない。
私だけじゃない。
沢山の人の反対に合うかもしれないね。
もし、私の大事な人が鬼になったら…。
時透君がもし鬼になったら。
私は殺せるだろうか。
感情を捨てて、人々のために彼を倒せるだろうか。
そんなことできない。
そんな強さ、今の私にはない。
やっぱり私は自分のことしか考えてない。
私には、その人を批判する資格はない。
きっとその人も、私と同じなんだ。
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