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〜2年後〜



A「…そんなこともあったねぇ。」

時透 「あれから、Aが体調崩してるの見てないね。
ちゃんと約束守ってるんだ。」


当然!

あのときはまだ13歳だったし、一人で何でもできるような大人ではなかったからね。

言い訳に過ぎないけど。



時透 「そういえば、お館様から聞いたんだけど、

学校辞めたの?」


A「うん。お母さんには相談したよ。
鬼殺隊のためにも、辞めないといけないかなって。」

 
実際、生活が大変だったし、お店のことに集中したかった。

それに、お館様に言われたんだ。


『今後、無惨の動きが活発になっていくかもしれない』って。

もしそうなったとき、命がけの仕事をしている鬼殺隊のみんなに、

誰が、心安らげる場所を提供してあげられるの?


鬼という恐怖に怯えながらも、私達のために戦わなければいけない彼らに、

誰が勇気を与えてあげられる?






そんなの私しかいないでしょう。

それは私の役目でしょう。



私がここに来て、お店を開いている理由は、

それでしょう?



時透 「Aらしい選択だね。」

A「そう?」

時透 「うん。…あと、前に比べて、責任感が強くなったね。」



?そうかな?



A「私、責任感なかった?」

時透 「…なかった。
というか、自分はどうなってもいいみたいな考え方だったと思う。」

A「…そうだったかも。」

時透 「でも、そういうAも優しい人だと思った。
…自分のことは大事にしてほしかったけど。」



鬼殺隊みたいに命をかけるような仕事ではないのに

無駄に命かけてたかもね……。



時透 「命かける仕事なんて、鬼殺隊だけで十分だよ。」

A「…そうだね。
この仕事以上に危険なことってないんじゃないの?」


時透 「…今の時代、刀使うこと自体駄目だし、危険と言われたら危険なのかも。」
 



A「…私って案外すごい仕事してるんだね。」


時透 「鬼殺隊の料理当番っていうね。」



それに、もし鬼がいなかったら、

時透君にも、胡蝶さんにも、カナヲちゃんにも、

今まで仲良くしてた人たちとも会えなかったんだ。


鬼がいなくなることは望ましいけど、

私と沢山の人たちとを巡り合わせてくれたことには感謝したい。




鬼は決していいものではないけどね。



時透 「あ、醤油頂戴。」

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月29日 23時

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