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二度目の蝶屋敷。


あれ?蝶がいない。


私にとっては大変いいことなんだけど!



?? 「…貴女が…A?」


門をくぐると、きれいな女の子が立っていた。
雰囲気から何から何まで胡蝶さんにそっくり。
えっと…確か…。


A「栗花落カナヲさん…ですよね?」


彼女はコクっと頷いた。
ニコニコ笑っている。

可愛い。


A「私はAです。よろしくお願いします。」


すると栗花落さんは、どこかから銅貨を取り出し、
親指で弾いた。
手の甲で落ちてきた銅貨を受け止める。


栗花落「よろしく。」

A「あの、どうして銅貨を投げて決めるんですか?」
 

すると栗花落さんはまた銅貨を投げた。


栗花落「自分で決められないから。全部どうでもいいの。」

A「…そう…ですか。」


なんだか寂しい。
私と話すことがどうでもよく思われてる感じがして。
私は嬉しかったのに。

再び栗花落さんは銅貨を投げる。


栗花落「でも、あなたのことになると、いつも表が出るの。」

A「…え?」

栗花落「アオイから聞いたとき、会ってみたらと言われたとき、これを投げたら表が出たの。
師範に、『Aは蝶が苦手なんです。』と聞いたときも、これを投げて。
それで飛んでいる蝶を虫籠に入れたの。」


口数の少なそうな栗花落さんが、こんなに話すなんて。

私のために、蝶をしまってくれたんだ。
虫籠に入れるべきかそのままにしておくべきか、判断しようとしてくれたんだ。


嬉しい。


栗花落「今は、Aと普通に話すって決めたから、普通に話せる。」

A「…嬉しいです。」

栗花落「…私も。多分、心のどこかでは、あなたと話してみたいと思ってたと思う。」


A「私、栗花落さんと話すだけじゃ嫌です。」

栗花落「…?」



A「…お友達になってください!」


栗花落さんは、黙って銅貨を投げた。


…あ、裏が出ちゃった…。




すると栗花落さんは、ニコっと笑い、人差し指を立てる。


《もう一度。》






いいの?




彼女は銅貨を投げた。




表!



栗花落「…お友達。初めて…。」

A「なんだか嬉しいです。私が最初の友達って。」

栗花落「私も嬉しい。…友達だから、銅貨で決める必要はない?」

A「勿論です!」




栗花落「Aのこと、どうでもよくなんかないよ。
もう、大事な友達だよ。…師範。」

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月29日 23時

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