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〜少女視点〜
ずっと好きだった霞柱様に断られてしまった。
何故なんだろう。
あの味噌に、惚れ薬を混ぜたはずなのに。
胡蝶 「あら。そうだったのですか。」
「はい。」
あのあと蝶屋敷によって、蟲柱様に報告をしている。
蟲柱様、大丈夫って言ったじゃない。
協力してくださった彼女に感謝しなければならないのに、
ふとそのようなことを考えてしまう。
蟲柱様はハッと思いついたように言った。
胡蝶 「なるほど。分かりましたよ。
時透君は、A以外を、女性として見ていないんです。」
「へ?」
そんなことあり得るんですか?
胡蝶 「もともと彼は、人や物に興味がないんです。性別なんて考えたこともなかったんでしょう。」
「でも、Aさん?は?」
胡蝶 「彼女は時透君のお気に入りですからね。」
そうか。
霞柱様は、Aさんのことが…。
私なんか、可能性すらなかったんだ。
胡蝶 「…次は惚れ薬ではなく、ちゃんと好きな人と向き合ってみてください。
いつかきっと、あなたにも現れますから。」
大粒の涙をこぼす私に、胡蝶さんは優しく言った。
胡蝶 「恋とは、難しいものです。誰かが幸せになれても、誰かは傷付く。
残酷ですよね。」
それを言うなら、鬼も残酷だ。
人を喰う彼ら。
それを防ぐためにできた鬼殺隊。
鬼を滅殺するために戦わなければいけない。
鬼のせいで、毎日怯えながら過ごさなければならない。
普通の恋が許されない。できない。
いつ死ぬかわからない
鬼殺隊の私にとっては、
最後の恋かもしれないけれど…。
あなたを思わない日はなかった。
お二人共。どうかお幸せに。
〜A視点〜
時透君に抱きしめられたということが信じられない…。
え?なんで急にそんなこと。
時透 「A、どうしたの?」
A「あ、いや。」
言えるわけないでしょ!恥ずかしい!
そもそもあの女の子、最初から時透君狙いだったわけ!?
時透 「…その味噌さ…。」
A「?」
時透 「あの子が置いてったやつだよね?」
A「うん。」
時透 「これ、なにか入ってる。」
A「…へ?」
何かって何!?
なんか味したの?
時透 「苦かったし、あれ食べたらAに抱きついちゃったから。」
A「あれが原因!?」
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