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〜時透視点〜
時透 「平助。僕ならその約束、守れるよ。」
平助 「…破ったら…俺はお前を絶対に許さない。」
時透 「心配しないでよ。
何があっても僕は、Aから離れたりしない。
ちゃんと隣りにいて笑わせるよ。
お兄さんが嫌というほどにね。」
平助 「!?はぁ!?」
フッ。すごく慌ててるね。
時透 「俺は、死んでもAを守るよ。
俺の大切な人は、俺が守らなきゃ意味がないんだ。」
平助「………はぁ!?」
時透「え?」
僕、何かおかしなこと言った?
今のは結構真面目に言ったんだけど。
なんで平助はそんなに驚いてるわけ?
平助「…お前さ…
Aが好きなの?」
時透 「…好きだけど?」
好きじゃなかったら一緒にいないからね。
そして好きじゃなかったら顔も名前も覚えてないよ。
平助 「…そういう意味じゃねぇ…とも言えないけど、まぁ、そうだな。
お前、分かってないのか。」
どういうこと?
どういう意味で聞いたのか分からないんだけど。
平助 「それとも、初めてのことなのか。」
時透 「ごめん。さっきから何を言いたいわけ?」
平助 「…今、お前はあいつをどう思ってる?」
時透 「…なんで君に教えないといけないの。」
平助 「んだよ〜。恥ずかしがってんのか?まだまだ思春期の男の子だなぁ?」
時透 「…霞の呼吸…壱(平助「おいちょっと!待てって!悪かった!俺が悪かったから刀をしまえ!」大事なところで被せてこないでよ。」
本気で成仏させようかと思った。
平助 「まぁ、幽霊だし、なんも効き目はないんだけどな。殺すにしても、もう死んでるし。」
時透 「じゃあいいよね。」
平助 「良くない!たとえ幽霊でも刀は怖いんだよ!」
早く成仏してよ…。
時透 「…平助って、僕が忘れっぽいの知ってる?」
平助 「そういえば、Aと話してるとき、『それ誰だっけ?』ってよく言ってるな。」
時透 「そう。今まで人や物に興味を持ったこともなかったし、一日経てば必ず忘れちゃってた。」
…でも、平助のことはAと同じように、覚えてる気がする。
時透 「でもね。Aのことだけは、
昨日話したことも、名前も顔も、全部覚えてたんだ。」
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