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今日は学校もお休みで、お店に誰も来なかったから、机で本を読んでいた。
南総里見八犬伝っていう本で、最近夢中で読んでるの。
すごく面白いからぜひ皆に読んでほしい。
宇髄 「よう!A!」
A「宇髄さん。こんにちは。」
早速ふぐ刺しを食べに来たんだろうけど、ごめんなさい。
まだ修行中なんです…。
宇髄 「ふぐ刺しじゃねぇから安心しろ。」
良かった…。
A「じゃあなんの用ですか?」
宇髄 「お前が最近頑張ってるらしいからよ。嫁が団子作ってくれたんだ。」
A「…奥さん方最高です。ありがとうございます。」
宇髄 「言っとくわ。よっこらせ。」
宇髄さんは私の向かい側に腰掛けた。
宇髄 「お、何読んでんだ?南総里見八犬伝?」
A「はい!知ってるんですか?」
宇髄 「有名だからな。読んだことはねぇが。」
A「面白いんですよ!伏姫というお姫様の数珠から生まれた八つのたまが飛び散って、人間になってまた巡り会い、国のために戦うお話なんですけど、まず伏姫というのは、里見義実というお殿様の娘さんでして…。」
その伏姫は、幼い頃は何も喋らずにただ泣いてばかりだった。
それを気にした母親は、彼女を連れてお坊さんの元を訪ねるんだ。
悪霊に取りつかれていると言われた伏姫は、そのお坊さんから、不思議な数珠を貰った。
「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「悌」「孝」の八つの文字が浮き出ている。
その数珠をつけると、伏姫は泣き止んで、言葉を話すようになった。
で、(宇髄「ちょっと待て!分かったって!」
A「なんで止めるんですか。」
宇髄 「内容教えろって言ってねぇだろ。」
A「そうか。でも本当に面白いので読んでみてください。」
宇髄 「すげぇ圧だな。」
A「お団子美味しいです!」
宇髄 「おう!どんどん食え!」
A「お父さんみたい。」
この前お館様もお父さんみたいに思ったし、私のお父さん何人いるの。
A「というかこれ、全部食べるんですか!?」
宇髄 「あたりめぇだろ!身長伸びねぇぞ?」
A「身長伸びなくていいし、もうお腹いっぱいです。」
宇髄 「少食だな。まだ三本しか食ってねぇじゃねぇか。」
A「三本で充分です。」
派手に背を伸ばせ!とか言ってる宇髄さんはいつもどのくらい食べるのかな。
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