[朽縄てる美] 僕は、君の名前さえ[男主]

九話【一発逆転】 ページ10

｢……くっ！｣
メインカメラ越しに見る副会長さんはやはり悔しそうな表情で、
僕は勝利を確信できた

｢カイゼリオンの能力発動！！｣
カイゼリオンは、搭乗したターンにドロップゾーンからブレイブマシン属性のモンスターを１枚ソウルに入れられる

その能力で先ほどドロップゾーンへ葬られたタイガトラスを、
そして、セイバードの能力でセイバード自身もソウルへ…
極めつけに、手札にいるもう一枚の『海神 スラッシャーク』の起動能力が発動され……
ソウルは三枚にまで増えた


｢っ…なんでアイテムなんかにソウルガードを…｣
｢…タイガトラスはね…僕の搭乗しているモンスターのソウルにあるなら、『貫通』を得るんだ｣
だが、彼女のセンターにはモンスターはいない
いたとしても彼女の装備するアイテムは直接攻撃以外のダメージを1減らすことができる
だから、貫通をしてもたったの2しか通らずに倒しきれない

｢スラッシャークは、攻撃力と防御力を+1000できる｣
先述の通り、副会長さんのセンターにはモンスターはいない
だから攻撃力と防御力を上げても何ら意味は無い

｢……セイバードはね、ゲージ1を払えば…『二回攻撃』を得られる｣
言いながらゲージを1つ払うと、カイゼリオンの剣にオーラが纏われる

｢そしてカイゼリオンの能力は、ソウルが三枚以上だと打撃力が+1されるんだ…よって、カイゼリオンの打撃力は4！｣
｢っ…打撃力4の…二回攻撃…！｣

彼女は悔しそうに歯を食い縛って俯いた



ファイトが終わり、カイゼリオンから降りるとその巨体は光になってデッキの中へ戻っていった

彼女は悔しそうな顔でこちらを見上げていた
僕は、なんと声をかければいいか分からないまま見ていた

このファイトの結果は、言うまでもないだろう

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