[朽縄てる美] 僕は、君の名前さえ[男主] (ページ4)

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三話【臥炎カップ？】ページ4

｢…祠堂、臥炎カップって何なの？｣
何気無く聞いた瞬間、祠堂は驚愕の眼差しでこちらをグリンと振り返った

｢ちょっ…笹川くんは臥炎カップも知らないんですし！？｣
有り得ないと言いたげな顔で見つめられる
｢え？だって…興味無いし｣
｢…なんで君はそう何事にも無気力なんですし｣
祠堂が深いため息を吐いて肩を落とした

｢いいですし？臥炎カップとは選ばれし8チームだけが出場できる大会なのですし｣
8チーム…案外少ないな
｢主催者は勿論臥炎財閥の若き総帥、キョウヤ様ですし！｣
祠堂の謎のテンションの高さに少し着いていけないが理解はした
要約すると、バディファイトの大会なんだ
｢…ところで、なんでいきなり臥炎カップのことを？全く興味無さそうなのに｣
｢あぁ、招待されたの｣
その瞬間、祠堂の顔が強ばった

｢へ？｣
｢だから、招待されたの｣

｢おまっ…バディファイトしてたんですし！？｣
なんかよく分からないけどすごく驚いてる
僕変なこと言ったかな
｢…してるけど？｣
｢だ、だって笹川くん、ルールとか覚えるの面倒臭いとか言いそうで｣
｢そりゃまあ…始める前はそう思ってたけど、結構楽しくて｣
祠堂は僕をなんだと思っているのだろう
まったく心外だなぁ

｢しょ、招待されたって…｣
｢あぁ、これが臥炎カップ？ってやつの招待状でしょ？｣
鞄の中のクリアファイルから、招待状(と思しきもの)を折り目が付かないように慎重に取り出すと祠堂はひったくるようにして読み始めた
…なんでそんなに必死なんだろう？

｢……ほ、本当ですし……｣
｢…あの、祠堂？大丈夫？｣
｢あっ…あはは…大丈夫ですしー…はい、ありがとう…｣
戸惑いながらも受け取る

祠堂は何やらブツブツ言ってたけど僕の耳には届かなかった
｢祠堂？どっか悪い？｣
｢い、いや…何でもないですし、でろ美が来る前にやりましょうか｣
｢…う、うん？｣

臥炎カップ、ちょっと楽しみかもしれない