[朽縄てる美] 僕は、君の名前さえ[男主]

一話【始まり】 ページ2

｢笹川くん、ソフィアに代わる新しい副会長ですし｣
今思えば祠堂にそう伝えられたのが始まりだった


そのとき、僕は生徒会書記の仕事をしていた
特にミスも無く、特に話すことも無く
ただただ淡々と書類を整頓して、サインをして、
つまらないと思ったことは一度も無いが楽しいと思ったことも一度も無い

そんな僕にいきなり伝えられて、少し驚いた
オレンジの髪、眼鏡、そばかす…なんだか幸薄そうだなぁとは思ったが流石に口には出さなかった
地味な僕が言える立場でもないしね

新しい副会長、そう言われると確かに前の副会長の姿が見えない
｢まぁそういうことで二人とも仲良く、手際よく仕事をしてくれですし｣
そう言って生徒会室のドアに向かう祠堂
なら協力してよ、と思ったけどそれを表に出さないように｢分かってるよ｣とだけ返した


その日から僕の日常は少しずつ変わっていったのだった

二話【後輩いじめ？】→←主人公の設定

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