猗窩座が弱い鬼を好きになる【猗窩座】

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ここの部屋から匂いがする。

部屋の襖の前に立った。誰かこの部屋にいるのだろうか。

そしてこれは何の匂いだろうか。

開けて確かめようとしたとき、中から声がした。


童「Aちゃん、どーしたの？」

聞いたことがある陽気な声。童磨だ。

中から襖を開けた童磨の姿に驚いた。

肩からお腹にかけてざっくりと深くえぐれているのだ。

部屋には大量の赤が見える。


あ・・・。

そこで部屋に溢れている柑橘系の甘い匂いが何か分かった。

童磨の血の匂いだ。

着物の時には何も感じなかったのに・・・。

自分は童磨の血の匂いに誘われてここにきてしまった。

童「Aちゃん風邪だって妓夫太郎に聞いたよ？大丈夫？」


『傷・・・。』

童「あぁ、これはあのお方にちょっとね！」

元気そうに言う。

ここにいたら、なんだかやばい気がする。

そう思い、寝ていた部屋に戻ろうとしたとき

ぐぅーと私のお腹が鳴った。

まるで、童磨の血を欲するように。

なんで、


童「・・・Aちゃん、お腹がすいたの？」

童磨に声を掛けられる。


『いえ、』

というが、童磨は笑ったままこちらを見ている。

早く離れようとしたが、手首を掴まれた。

そしてそのまま私を部屋の中に引き込み、童磨は襖を閉じた。

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