少し縮まった距離 ページ9
『…え、ぁ、ぇ、ぇっと……』
スター「…ぇ゛」
トミー「えっ!」
グリン「ぉお?」
そんな態度の気品のあるアルファロさんに固まると、さっきまで何か言い合いをしていた3人の驚き声も聞こえる。
私が固まりながらもどう返そうか戸惑っているとアルファロさんが眉を下げて笑った
アルファロ「……ふふっ、ふふふっ……冗談ですよ、Aさん。」
『…は、ぇ、ぇっ?』(クイッ)
アルファロ「では、3人とも、Aさんは他の支部長たちとの挨拶が残っていますので、失礼しますよ。」
肩を軽く寄せられて、ポン、ともう1つの手で軽く背を叩いたアルファロさんは困惑している3人を一瞥してから同じように困惑しっぱなしの私を扉まで案内する。
アルファロ「では、3人とも……きちんと仕事はしなさい。」
『…ぁ、じゃ、じゃあ、またいつか……』
バタンと、扉を閉じてからため息を吐いたアルファロさん。さっきの雰囲気とは変わって申し訳なさそうに視線を合わせて軽く頭を下げた
アルファロ「…ふぅー……すみません、A様。少々長引きそうだったので多少強引にしてしまいましたね。」
『ぃ、ぃえ……少しびっくりしちゃいましたけど……大丈夫です……』
アルファロ「ありがとうございます………っと、女性に軽々しく触れちゃいけませんね。失礼いたしました。」
ホッとしたと思いきや、肩に合った手を勢いよく離し、焦った顔のアルファロさんに、意外と表情がコロコロ変わる人なんだな、と少し笑ってしまう。
『ふふ…大丈夫ですよ。あと、様、なんてつけなくていいです。』
アルファロ「ですが……」
『いいんです、三虎さんは三虎さん、私は私ですから。』
アルファロ「……わかりました、では、Aさんと、呼ばせてもらいますよ。」
『!はい!……ぁ、…その、支部長の方々の…案内をお願いしても…?』
少し強引だったかと思ったがすぐに私への態度を少し砕けさせてくれたアルファロさんに嬉しくなって話が終わりそうだったので、気まずくなりながらも聞くと
アルファロ「…コホンッ………えぇ、いいでしょう、」
『ぁ、ちょ、早っ、!』
アルファロ「このくらいAさんなら大丈夫ですよ。」
『そ、そんなっ!?』
そんな私の様子にやれやれと頬をかいてから咳ばらいをしたアルファロさんは照れ隠しなのかなんなのか、さっきよりも速足で廊下を進んでいったので慌てて追いかけた。
39人がお気に入り
「原作沿い」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:reetlu | 作成日時:2022年4月4日 3時