【トリコ】彼らの愛者ｰハシモノｰ10 (ページ47)

今日:13 hit、昨日:16 hit、合計:13,461 hit

次郎さんの教えページ47

　
次郎「それにハマっとった滝のような水のフォールツリー…獲物が木の下に入ると葉から水のミサイルで獲物を殺し、そのまま根から養分とするのじゃ……」

トリコ「………こ…これが、グルメ界、か……！！！」

少し自分のいた状況を冷静に見れたかと、声をかけようとしたが笑うトリコ。これは…

(…全く、わかっていないな……)

次郎さんも同じことを思った様でため息を小さく吐いてから焼きあがったハム貝を持ち上げ用意していた爪楊枝を穴に差し込みグルリと回しながら中身を出し、口に運ぶ。

次郎「……じゃがな……トリコ君…今のお主では、グルメ界は攻略できんのぉ……」

トリコ「！」

次郎「若い頃はワシもそうじゃった……全部1人でやろうと………1人で、出来ると思っとった…ある意味でワシの実力は通用した。」

そう懐かしみながら少し恥じるように話す次郎さんの目は遠くを見ている

次郎「しかし、グルメ界はそんな単純な世界ではない……トリコ君、今お主に足りないものは実力ではない……仲間を、パートナーを…小松くんを。信じ、頼る…素直な心じゃよ…」

トリコ(小松―――……)

次郎「今回ワシにトリコ君の助けをいらしいたのは他でもない……小松くんなんじゃよ…のぉ、A…？」

『あぁ…その通りだよ。』

トリコ「えっ！！？？」

次郎「トリコさんにもしもの事が合ったら…って泣いてワシにお願いしとったぞ……」

そう次郎さんがトリコに向かって咎めるの訳でもなく、憐れむの訳ではなく、言い聞かすように優しく語り掛けると、たちまちトリコの目には涙が溜まっていく

『…トリコが、黙って勝手な行動をしている間に……小松くんは色々な人に連絡をして、トリコの心配を、そして無事を祈っていた。』

トリコ「小松…っ！！」

肩を震わせ涙をこぼしたトリコは泣くところを見られたくないのか私達に背を向けた。

次郎「戻るがいい……人間界へ。そしていつの日か…今度は2人で挑戦せい…！！」

『あぁ、そうしたほうがいい…』

トリコ「っぅ゛、……！！」

そう私と次郎さんは泣くトリコを見ずに、焼きあがったハム貝を見て一応確認を取る

『…次郎さん、私も食べていいの？』

次郎「んん～？Aが来ることは予想していったからのぉ、気にしなくていい。」

『…じゃあ、いただきます。』

にこやかに笑った次郎さんに安心してハム貝を取ろうとするとスッと手を止められて首をかしげる
　
　